「Wander Over Yonder」クレイグ・マクラッケン インタビュー


A Walk on the Bright Side(Animation Magazine)
アニメーションマガジンに掲載されたクレイグ・マクラッケンへのインタビュー
主に今度8月16日に北米ディズニーチャンネルで先行放送される「Wander Over Yonder」についてとなっています。
簡単に内容を紹介すると(※要約意訳テキトー翻訳ですよ)
「スケッチブックに好きなようにキャラを描き始めたのが最初で、それは後にまとめられてコミコンで本にして配布した。
当時は、私とローレンはフォスターズホームを作っていた最中で、その時にコメディアンのJack McBrayerが作品のファンだと聞いて、一緒にランチをしたんだけど、彼はそのまんまワンダーだった。」
多分そこから、ワンダーの声は「Jack McBrayer」があてることとなり、本格的な企画を進めていったってことかも。
Jack McBrayerは声優としてはそれほど多く無いけど、「シュガーラッシュ」のフェリックスJrや「フィニアスとファーブ」のアーヴィングなどもあてている役者。
「Wander Over Yonder」のイメージスケッチは、マクラッケンが息抜きに描いていたラクガキみたいなもんだったのか、以前からdAなどにちょこちょこアップされていていましたが、それが同人誌として最初に配布されたのは2008年のコミコン。

http://www.milkywayandthegalaxygirls.com/solarsisterhoodblog/?p=301
マクラッケンは直接ブース出展していないので、妻のローレンさんのブースに置いてもらって販売されました。
この時のワンダーはアニメ版よりもっと飄々とした風来坊ぽい。
アニメ版はまだ本編見ないとわからないけど、もっとテンション高そう。
「ワンダーは超ポジティブなキャラクター。
悲劇的で暗い性格のヒーローだらけでうんざりしていたので、プラス傾向のキャラを作りたかった。
Jack McBrayerはホントにワンダーそのまんまだよ!」
ダークナイトのことかー!
それだけじゃないんだろうけど、マクラッケンが目指していたものは次の回答で。
「僕らはルーニーテューンズタイプのドタバタコメディ(physical comedy)に戻りたかったんだ。テンポの早いギャグ中心のもの。
視覚的にはイエローサブマリンやモンティパイソンのアニメなどから影響されている。
中でもProfessor Balthazarに感銘をうけた。」

「Professor Balthazar」
70年代のクロアチアのアニメーション
70年代と古いけれど、どうも最近アメリカで紹介(発掘?)されたぽいですね。
youtubeにもいくつかあがってるけど、確かにマクラッケン好きそう。
「ディズニーTVスタジオで脚本とストーリーボード。
動画はカナダのMercury Filmworksで、Toon Boom Harmonyによって作られる。
Toon Boom は素晴らしく、その高水準のアニメーションのとても満足しています」
「Wander Over Yonder」の制作ツールはFlashではなくToonBoom。
自分は、アニメツールとしてのFlashはもうクオリティ的にも効率的にも限界にきていると思っているので、この作品がToonBoomで作られると言うのは、かなり高クオリティのものになりそうなので、期待。
ToonBoomはカナダ製のアニメーションツール。
普及率はまだまだだが、ポテンシャルはとても高いのでもっと普及してほしい。
「ディズニーで音楽の重要性が高いことはよく知られています。
運良くすばらしい「Fuller Condon」「Andy Bean」というすばらしいバンジョー奏者に出会えた。
こうして僕らは、SFジャンクバンドミュージックを得る事ができた」
どうやら劇中内音楽けっこうありそうな感じです。
「最近のディズニーチャンネルはDan PovenmireとJeff Marshの「フィニアスとファーブ」、Alex Hirschの「グラビティフォールズ」、Paul Ruddishの「新ミッキーマウス」などかつてのカートゥーンネットワークのようです。
カートゥーンネットワークではスタジオはロスでしたが、会社経営陣上層部はアトランタでした。
しかしディズニーは(バーバンクの)同じ場所で働いています。」
これは・・・多分CN時代よりはやりやすくなった・・って話かも。
以前からマクラッケンは、CN上層部のチェックにうんざりしていたようなので。
もちろんディズニーでも何度も上層部チェックが入るみたいですが、場所が近い(というか直接会える同じ場所)ということでスピーディに行えるということかと。
ちなみに、CNで今放送されているアドベンチャータイムはFrederator StudiosのFred Seibertがとりまとめていて、あまり上層部チェックが入らないシステムで制作されているようです。
これは元CN社長だったFred Seibertだからできることかもしれませんが。
「ディズニーは非常に高い品質を求めてきます。
しかし、「Wander Over Yonder」では毎回違う惑星が舞台となるので、使い回しができず、それがとても大変な仕事となります」
「僕は子供の頃、本当にカートゥーンが大好きでした。
バッグスバニーやミッキーマウスが何をやるかは特に気にせず、彼らがする行動そのものが好きでした。
だからこれは古典的なキャラクターコメディを目指しています」
「僕が特に好きなカートゥーンの一つは「アンダードック」です。
また、2歳のころ、僕は木のテーブルにミッキーマウスを描いていたそうです。
そのころから、ずっとカートゥーンに引きつけられていたようです」
「僕は「ロッキー&ブルウィンクル」「ルーニーテューンズ」世代です。
最近の作品は「シンプソンズ」の影響が強い作品が多く、僕好みの作品は自分でやるしかなかった。
それが20年前で、以後も続けられたのはとても喜ばしいことでした」
これからアニメ業界に目指す学生にむけて
「あなた自信の声を見つけることだ。
そしてそれを実現する最良の方法をみつけること。
それがユニークでクリエイティブな作品を作る道です。
多くから影響をうけるだろうけど、あなたは(自分自身の)アーチストとして忠実でなければならない」
まあ、最後は好きな事だけやって成功してきたマクラッケンならでは・・って感じしますけど。
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コメント
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以前からマクラッケンは、CN上層部のチェックにうんざりしていたようなので。
ほう、そうなんですか。
Adventure Timeまわりのスタッフの方々の話を記事などで読んでみると、かなりアーティストの自由裁量でやっているようなことをしばしば見るんですが、それはFred Seibert氏の鉄壁のガードがあってこそなんでしょうかね。
- スカポン太:
- もう無くなっちゃったんですが、昔マクラッケンがブログをやっていて、そこで作品を作るまでの話をしていたんですよ。
簡単なプロットを上層部に提出し、その後の脚本も何度も提出し・・・など、けっこうめんどくさがっていました。
ただ、そうやって作品が作られる過程を説明してくれると期待していたんですが、その記事以降更新が止まり、なおかつその上層部チェックの記事もすぐに削除されたりと、そのへんアンタッチャブルな話だったのかなあと。
他でもそうかわからないですが、アドベンチャータイムの作り方は特別な感じがしますね。
サウスパークもけっこう自由にやってるぽいですが。