JAniCAとTAG
日本のアニメの制作環境状況についてはあちことでも色々と話題になったりもしてますが、そういったものを改善するために、最近設立されたのが「JAniCA(日本アニメーター・演出協会)」
労働組合というより支援団体という感じのようですね。
意義のある活動だと思うので今後の活動に期待しています。
(『提案書』の文言にちょっと気になるとこが・・・ジャパニメーションとか言うのはもうやめようよ・・・せっかくの文が台無しです)
労働組合というより支援団体という感じのようですね。
意義のある活動だと思うので今後の活動に期待しています。
(『提案書』の文言にちょっと気になるとこが・・・ジャパニメーションとか言うのはもうやめようよ・・・せっかくの文が台無しです)
ただ、これが画期的かというとそうでもなくて、例えば東映にはちゃんとアニメーターの労働組合があります。>東映動画労組
これは東映だけの話でしょ、とかいうとそうでもなくて、誰でも加入できるフリーユニオンも前からありました。活動内容的には同じような感じですね。
でもほとんど知られていないような気がします。知っててもあまり加入したがらないのかなあ?そのへんは業界の人でない私にはわかりませんが。今の日本では労働組合に対するネガティブなイメージが強いからかもしれません。
さて、日本のアニメーターに対する労働条件の悪さ、理由、原因などの話などはよく聞きますが、アメリカなどのアニメーターはどうしてそうならなかったのか?などという話あまり聞きません。
アメリカではどうなのか?というと、アメリカのアニメーターの多くはThe Animation Guild (TAG)に加入しているからでしょう。
SAG(Screen Actors Guild・全米俳優協会) や DGA(Directors Guild of America・全米監督協会)などのアニメーター版です。アメリカではこういうクリエイターたちのための組合がいっぱいあって、他にはWGA(Writers Guild of America・全米脚本家協会)などもあります。
また、カートゥーンの声優たちの多くもSAGに加入しています。
これによって、労働賃金や労働条件が保証され、かつ様々な支援をうけられるのです。まあ、逆に加入していないと多くの作品に関われないということもあってみんな入るようですけど。
縛りもあるのでそれを嫌って脱退する人もいますね。有名なとこでは監督協会でルーカスとかタランティーノとか。
協会と協定を結んでいない会社とは仕事はできなかったり、その逆で協会に加入していないと協会提携会社の仕事をうけられないとかあるようです。
例えばカートゥーンの話では、
カートゥーンの声優は『俳優』としてSAGに加入していてカートゥーン作品に出演できます。
一方、日本アニメのアメリカ版吹き替えの会社などはわりと小さいところが多く、SAGと提携していないため日本アニメの吹き替え声優として出られないというケースも。
もちろんその逆もあるわけで、それで日本アニメ吹き替え声優とカートゥーン声優と層が違う要因の一つではないかと思っています。
日本アニメ吹き替え声優は組合の保証が無いために賃金がものすごく安かったりするみたいですし。(たまに両方やってる人もいるので、もしかしたら、それほど縛りは強くなく、賃金格差が一番の要因かもしれませんが)
アメリカのアニメーターは優遇されている、と言えばまあそれはそれでいい話のようですが、それによるデメリットも考えられます。
アニメーションにおいて最も人件費がかかりそうな動画の部分。ここを高賃金に設定してしまうと制作費が膨大になります。だから、アメリカでのアニメーション制作においては自社だけでは作品は完成できず、その部分は安い海外に外注するしか無いんではないかと。
カートゥーン作品の多くを見ていると、ストーリーボーダーはいても、作画・動画などの実質制作は韓国や日本だったりするのもそのためかと。
adultSwimなどで流れている低予算系作品はこの限りではないと思いますが。
日本のアニメーターの低賃金ぶりはよく話題に出ますが、それは歩合制の動画マンの話ですよね?
アメリカにはそれに従事する人そのものをあまり聞かないので、そもそも比較対象にならないと思うのですがどうなんでしょ。
そういえば全米漫画家協会なんてのもあるようです。よく知らないけど、これってどうなんでしょうか?コミックアーチストってなんかみんな貧乏そうなイメージがあるんですが。
まあ、そんなのに加入してなさそうなインディーズ作家の人のために、ゼリック財団(Xeric Foundation)というのもあるようです。自費出版でコミックを出しているコミックアーチスト(同人作家?)に資金援助をする団体で、ミュータントタートルズのクリエイター、ピーター・レアードが設立しました。
元々タートルズ自身が自費出版で始まったものだけに、タートルズで得た利益をそういった自分たちの生まれいでた市場への還元したいという想いから始まったようです。
最後はなんかとりとめなくなってしまいましたが、まあ半分は自分メモってことで。
あくまで外部から見た推測がほとんどなので色々間違ってるとこもあると思います。いつか「両方に従事した」ことがある人の話などを聞いてみたいものです。
これは東映だけの話でしょ、とかいうとそうでもなくて、誰でも加入できるフリーユニオンも前からありました。活動内容的には同じような感じですね。
でもほとんど知られていないような気がします。知っててもあまり加入したがらないのかなあ?そのへんは業界の人でない私にはわかりませんが。今の日本では労働組合に対するネガティブなイメージが強いからかもしれません。
さて、日本のアニメーターに対する労働条件の悪さ、理由、原因などの話などはよく聞きますが、アメリカなどのアニメーターはどうしてそうならなかったのか?などという話あまり聞きません。
アメリカではどうなのか?というと、アメリカのアニメーターの多くはThe Animation Guild (TAG)に加入しているからでしょう。
SAG(Screen Actors Guild・全米俳優協会) や DGA(Directors Guild of America・全米監督協会)などのアニメーター版です。アメリカではこういうクリエイターたちのための組合がいっぱいあって、他にはWGA(Writers Guild of America・全米脚本家協会)などもあります。
また、カートゥーンの声優たちの多くもSAGに加入しています。
これによって、労働賃金や労働条件が保証され、かつ様々な支援をうけられるのです。まあ、逆に加入していないと多くの作品に関われないということもあってみんな入るようですけど。
縛りもあるのでそれを嫌って脱退する人もいますね。有名なとこでは監督協会でルーカスとかタランティーノとか。
協会と協定を結んでいない会社とは仕事はできなかったり、その逆で協会に加入していないと協会提携会社の仕事をうけられないとかあるようです。
例えばカートゥーンの話では、
カートゥーンの声優は『俳優』としてSAGに加入していてカートゥーン作品に出演できます。
一方、日本アニメのアメリカ版吹き替えの会社などはわりと小さいところが多く、SAGと提携していないため日本アニメの吹き替え声優として出られないというケースも。
もちろんその逆もあるわけで、それで日本アニメ吹き替え声優とカートゥーン声優と層が違う要因の一つではないかと思っています。
日本アニメ吹き替え声優は組合の保証が無いために賃金がものすごく安かったりするみたいですし。(たまに両方やってる人もいるので、もしかしたら、それほど縛りは強くなく、賃金格差が一番の要因かもしれませんが)
アメリカのアニメーターは優遇されている、と言えばまあそれはそれでいい話のようですが、それによるデメリットも考えられます。
アニメーションにおいて最も人件費がかかりそうな動画の部分。ここを高賃金に設定してしまうと制作費が膨大になります。だから、アメリカでのアニメーション制作においては自社だけでは作品は完成できず、その部分は安い海外に外注するしか無いんではないかと。
カートゥーン作品の多くを見ていると、ストーリーボーダーはいても、作画・動画などの実質制作は韓国や日本だったりするのもそのためかと。
adultSwimなどで流れている低予算系作品はこの限りではないと思いますが。
日本のアニメーターの低賃金ぶりはよく話題に出ますが、それは歩合制の動画マンの話ですよね?
アメリカにはそれに従事する人そのものをあまり聞かないので、そもそも比較対象にならないと思うのですがどうなんでしょ。
そういえば全米漫画家協会なんてのもあるようです。よく知らないけど、これってどうなんでしょうか?コミックアーチストってなんかみんな貧乏そうなイメージがあるんですが。
まあ、そんなのに加入してなさそうなインディーズ作家の人のために、ゼリック財団(Xeric Foundation)というのもあるようです。自費出版でコミックを出しているコミックアーチスト(同人作家?)に資金援助をする団体で、ミュータントタートルズのクリエイター、ピーター・レアードが設立しました。
元々タートルズ自身が自費出版で始まったものだけに、タートルズで得た利益をそういった自分たちの生まれいでた市場への還元したいという想いから始まったようです。
最後はなんかとりとめなくなってしまいましたが、まあ半分は自分メモってことで。
あくまで外部から見た推測がほとんどなので色々間違ってるとこもあると思います。いつか「両方に従事した」ことがある人の話などを聞いてみたいものです。
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コメント
- ネオフェイト:
- そうですね。改善しないといけませんね。このまま行くといずれはアニメが滅んでしまいますね。関係ない話ですけど後あなたもご存じ知っていると思いますがザ・バットマンのブルース/バットマン役の加瀬さんがフリーになったのご存じ知っていられますか。このままだと4シーズンがやらなくなってしまうのではないかと心配です。
- 黒イルカ:
- もし、JAniCAさんのサイトに書いてることが本当なら、動画から昇進しても賃金は頭打ちということになります。原画マンの月収18万、しかも無休で働き続けて、とか絵コンテを描いて月収22万(同じく無休で働く)、とかアメリカのアニメーターと比較するまでもなくサラリーマンと比較しても………
あり得ないとしか言いようがないです。
これ聞くと新人でも将来の希望とか持てないんじゃないでしょうか。
- 真空管:
- アメリカのモデルをそのまま模倣というわけにはいかないようですね。
となると日本独自にシステムを作らなきゃならないわけですが
日本人はそういうの官も民もグダグダですからね・・・
「世界に誇るコンテンツ」「ものづくり大国」とか偉そうに言うくせに
技能者に還元しない社会の根本的な問題ではないでしょうか。
- スカポン太:
- >ネオフェイトさん
フリーになったくらいでは・・・多分大丈夫かと思いますが・・・
>黒イルカさん
あのままいくと
・途中で挫折してやめる
・監督クラスまで上がらないと生きて行けない
その道しか無い感じですね。
いつも不思議なのは「にもかかわらず、今でも大量に清算され続けている」というとこで。以前、こういった現状を知った海外の知り合いに質問されたんだけど、うまく答えられませんでした。
>真空管さん
ギルドがあるのがあたりまえで、国に頼らず自分たちで権利や保証を築いて来たアメリカとは環境や状況が違いすぎるので、そのままは絶対無理ですね。
ただ今まで「これは問題だ」と意見だけだったのに対して、実際に動き始めたJAniCAはそれだけで評価できますね。
ただ、じゃあどうすれば・・・という具体的なところはきっと試行錯誤で一番悩んでいるとこなんだろうなあ。
- さかえ:
- >にもかかわらず
簡単に言うと、アニメが好きで好きでしょうが無い人の情熱、が支えでしょうね。むしろ、そういう人だけが残っているとも言えます。良い状況では決してありませんし、なんとかしたいところですが。
実際、歩合制の場合は原画マンは作画監督クラスにならないと食べていけないのが実状です。知り合いのアニメーターが所属するスタジオの社長(監督もこなす演出家でもある)は「25歳までに作監になれないとあとが苦しいよ」と言っていたそうです。
- スカポン太:
- 情熱が支えというと美談ぽいけど、それじゃ限界ありますよね。
情熱はあっても実際に経済的にやり続けていられない人もきっといただろうに。
25までに・・・ってけっこうハードル高いなあ。
- ゆずのきB佳:
- 経済的にもですが、身体的に限界だと知り合いのアニメーターさんが言ってました。
海モモでこんなエピソードがあったのが思い出されます。もう15年以上経ってるのに、根本的なところは変わってないのかな?
http://www.style.fm/as/05_column/shudo101.shtml
いえ。変えましょう。いい方向に。
- さかえ:
- あまり言いたくはないけど、素晴らしいスタッフが若くして亡くなるたびに、いろいろと案じてしまいます。
おけやあきらさん、逢坂浩司さん・・・今年だけでも私がファンだった方が鬼籍に入ってしまいました。
とある脚本家さんも持病と闘いながら執筆を続けています。
ここをご覧のアニメーションスタッフの方々がいらしたら、がんばりはほどほどに、末永くご活躍されることを願ってやみません。
ちょっと本筋を離れてしまいましたね。申し訳ありません。
- スカポン太:
- 辛い話ですね。
ただ、今までもずっと「このままじゃ」と言葉だけで言われてきただけでしたが、JAniCAのような動きが出て来たことに期待したいです。