モーニングの国際新人漫画賞インタビュー
モーニングの国際新人漫画賞インタビュー
さすがこの企画を出しただけあって、現状認識が的確ですな。
海外のコミックやマンガ、日本の漫画を大きなくくりでレベルがどうとか比較するのは正直どうでもいいというか、意味のないことで、読者レベルで言えばぶっちゃけ海外とか国内とか関係無くその「作品」が“自分にとって”面白かったかどうかだけですからね。
そのうえで、日本の漫画の良いところといえば、まさにここで述べられているように「バリエーションの広さ」につきるかと。
もっといえば、「このバリエーションを広くすることを可能にした発行形態を持つことができた。」ことが差に繋がってゆくのではないかと思います。
これについては、考えていることはあるのですが、長くなるので省略。
さすがこの企画を出しただけあって、現状認識が的確ですな。
海外のコミックやマンガ、日本の漫画を大きなくくりでレベルがどうとか比較するのは正直どうでもいいというか、意味のないことで、読者レベルで言えばぶっちゃけ海外とか国内とか関係無くその「作品」が“自分にとって”面白かったかどうかだけですからね。
そのうえで、日本の漫画の良いところといえば、まさにここで述べられているように「バリエーションの広さ」につきるかと。
もっといえば、「このバリエーションを広くすることを可能にした発行形態を持つことができた。」ことが差に繋がってゆくのではないかと思います。
これについては、考えていることはあるのですが、長くなるので省略。
『日本のマンガが右開きなのは、日本語が縦書きだからなわけです。』
まさにこれだけの話であって、実際読んだり描いたりしてみればわかるけど、左右どっちからの読みでも数分で慣れる。読みの流れはまったく障害にはならないけど、ただ、複数の作品が掲載される雑誌の場合『本』の形態上の性質として開きの方向を統一しなければならないというのが、本作りとしては悩みでしょう。
『ただ、右開き、左開きと言うよりももっと本質的な違いは、絵と吹き出しの関係です。」
これもアメコミなどを読み始めた頃、自分が感じたものと同じですね。
大手のアメコミなどはセリフと絵の担当が別々だったりするからでしょうかね。(いいライターだとこのへんもそれなりらしいのですが)
あとページ数が少ないのにライターがめいっぱい詰め込んじゃってるので、台詞が少々説明的すぎて今ひとつ流れがよくないってのはあったな。
なにしろ、アメコミは日本の漫画が100p使って進める話を10pでやろうとするので大変です。その分展開はすごく早いんだけども。
インディーズの作家は一人で描いていることが多く、フキダシやセリフの流れなどインディーズ作家の方が自然です。読みにくいけどジョーネンの作品などは描き文字そのものが世界観と解け合っていて独特な雰囲気をかもしだしています。
最近大手アメコミ出版社もこういったインディーズ作家をどんどんスカウトして来ているので、その影響でこのへんは今後変わっていくかもしれません。
『たとえばアメリカで、10歳前後の子どもがマンガを読み始めるとして、最初は楽しんで読んでいたとしてもハイスクールに上がる頃には読むのを止めてしまうわけです。』
ティーンになってもコミックを読んでいるものは、それだけでもうマニア。
なにしろコミックブックショップという日本で言うマンガ専門店(というか、まんだらけやとらのあなみたいな雰囲気の方が近いかも)でしか買えず、しかも州によっては一軒も無かったりするのでみんなカタログで通販。
だからアメコミは子供向けと社会から思われてていながら、主力購買層は青年以上で内容も青年向け・大人向けが主流。というヘンな状況。子供向け作品なんて入手が大変ですよ!単行本化しないし・・・
前にも書いたけど、ほんとアメリカの子供たちってどうやってコミックを入手しているんでしょうか?
海外では『青年マンガが成立する』かどうかどころか、青年マンガばっかりですよ。違いはそれが一般に入手しやすいかどうかっていう流通の違いかなあ。
『日本のマンガに関係している人たちの多くが考えているのは、「“日本のマンガ”を世界中でメジャーにしたい」ということです。ところがこれは「“マンガという文化”が世界的にメジャーになる」ということとは矛盾していると思います。』
ちょうどこれに対応しているのがVizとTOKYO POPのスタンスの違いかな。前者がVizで後者がTOKYO POP。だから私はTOKYO POPが好き。(まあ、私がそう感じているだけですが)
ジャイブもがんばってはいるけど、どうしてもそれなりに企画を通したり採算を考えると評価の出ている「名作主義」になっちゃってるのが残念。
糞のような凡百の中に「これこそが自分のツボ」みたいのが埋まっていたりするので、ジャンルとして広まるにはゴミのようなものでも数が必要なんだよねえ。難しいけど。
ついでだから書いておきますが、たまにマンガとコミックを比較したりする本や議論がありますが、根本的に議論として成り立たないんですよね。(日本国内の話ね)
比較すべきコミックをそもそもまともに読んでい無いっていう論外なものもありますが、そうでなくともコミックのサンプリングが2、3種類だけってのがほとんどですから。
例えば少年漫画と少女漫画を比較するとして、過去から現在までのすべての少年漫画と「ベルサイユのばら」(しかも古い作品がサンプリング対象だったり)ひとつで比較検証しているようなもので、結局噛み合ないで終わるのがオチです。
まあ、これは日本アニメと海外アニメとの比較に置き換えても同じですが。
ほら、日本アニメと海外アニメを比較する時によくディズニーの名が出て来たりしますが、TV用日本アニメと劇場用ディズニーアニメを比較とか、前提として食い違ってることが多いじゃないですか。比較ならせめて劇場用オリジナル作品同士でしょ。
ディズニーのTV用アニメとかで比較ならまだしも。しかもサンプリングがたった一社のアニメスタジオとかってやはりおかしいでしょ(笑)
カートゥーンネットワークスタジオとシンエイ動画の比較とかだったらまだ比較として成り立つような気がしますが、あまりそのようなものは見かけません。
でもね、一般人とか普通のファンとかが話題に出してああだこうだ言うのはいいんですよ!むしろ認識度とかのはかりにも使えたりしていろいろ興味深いし!
問題は研究者や評論家の方々が、まともに読んでも無いのに思いつきや印象だけで比較したり語ったりしているケースですね。これ最悪。
なかなか面白い考察してんなーと思っていたのに、(理論の補強のためかわからんけど)無理矢理海外ものを出してきたらとたんにトンチンカンになっちゃうことの多いことといったら・・・・
音楽でも映画でも小説でも、そしてスポーツですら、国内ものしか知らないっていう評論家や研究者は皆無です。しかし、マンガやアニメだけは違う。サボってんの?
マンガやアニメの研究や批評はまだまだこれからですね。
ちょっと筆が滑りすぎたかも・・・・
なんというか、たまにはグローバルな視点をもった評論や研究も読んでみたいな、と思う事が多かったもので。
この前注文してまだ届いていないんですが
「アニメビジネスがわかる(増田弘道 著)」
「アニメすげえ!すげえ!」じゃなくてビジネス視点からドライに書かれていそうで、なんとなく期待はしている。
まさにこれだけの話であって、実際読んだり描いたりしてみればわかるけど、左右どっちからの読みでも数分で慣れる。読みの流れはまったく障害にはならないけど、ただ、複数の作品が掲載される雑誌の場合『本』の形態上の性質として開きの方向を統一しなければならないというのが、本作りとしては悩みでしょう。
『ただ、右開き、左開きと言うよりももっと本質的な違いは、絵と吹き出しの関係です。」
これもアメコミなどを読み始めた頃、自分が感じたものと同じですね。
大手のアメコミなどはセリフと絵の担当が別々だったりするからでしょうかね。(いいライターだとこのへんもそれなりらしいのですが)
あとページ数が少ないのにライターがめいっぱい詰め込んじゃってるので、台詞が少々説明的すぎて今ひとつ流れがよくないってのはあったな。
なにしろ、アメコミは日本の漫画が100p使って進める話を10pでやろうとするので大変です。その分展開はすごく早いんだけども。
インディーズの作家は一人で描いていることが多く、フキダシやセリフの流れなどインディーズ作家の方が自然です。読みにくいけどジョーネンの作品などは描き文字そのものが世界観と解け合っていて独特な雰囲気をかもしだしています。
最近大手アメコミ出版社もこういったインディーズ作家をどんどんスカウトして来ているので、その影響でこのへんは今後変わっていくかもしれません。
『たとえばアメリカで、10歳前後の子どもがマンガを読み始めるとして、最初は楽しんで読んでいたとしてもハイスクールに上がる頃には読むのを止めてしまうわけです。』
ティーンになってもコミックを読んでいるものは、それだけでもうマニア。
なにしろコミックブックショップという日本で言うマンガ専門店(というか、まんだらけやとらのあなみたいな雰囲気の方が近いかも)でしか買えず、しかも州によっては一軒も無かったりするのでみんなカタログで通販。
だからアメコミは子供向けと社会から思われてていながら、主力購買層は青年以上で内容も青年向け・大人向けが主流。というヘンな状況。子供向け作品なんて入手が大変ですよ!単行本化しないし・・・
前にも書いたけど、ほんとアメリカの子供たちってどうやってコミックを入手しているんでしょうか?
海外では『青年マンガが成立する』かどうかどころか、青年マンガばっかりですよ。違いはそれが一般に入手しやすいかどうかっていう流通の違いかなあ。
『日本のマンガに関係している人たちの多くが考えているのは、「“日本のマンガ”を世界中でメジャーにしたい」ということです。ところがこれは「“マンガという文化”が世界的にメジャーになる」ということとは矛盾していると思います。』
ちょうどこれに対応しているのがVizとTOKYO POPのスタンスの違いかな。前者がVizで後者がTOKYO POP。だから私はTOKYO POPが好き。(まあ、私がそう感じているだけですが)
ジャイブもがんばってはいるけど、どうしてもそれなりに企画を通したり採算を考えると評価の出ている「名作主義」になっちゃってるのが残念。
糞のような凡百の中に「これこそが自分のツボ」みたいのが埋まっていたりするので、ジャンルとして広まるにはゴミのようなものでも数が必要なんだよねえ。難しいけど。
ついでだから書いておきますが、たまにマンガとコミックを比較したりする本や議論がありますが、根本的に議論として成り立たないんですよね。(日本国内の話ね)
比較すべきコミックをそもそもまともに読んでい無いっていう論外なものもありますが、そうでなくともコミックのサンプリングが2、3種類だけってのがほとんどですから。
例えば少年漫画と少女漫画を比較するとして、過去から現在までのすべての少年漫画と「ベルサイユのばら」(しかも古い作品がサンプリング対象だったり)ひとつで比較検証しているようなもので、結局噛み合ないで終わるのがオチです。
まあ、これは日本アニメと海外アニメとの比較に置き換えても同じですが。
ほら、日本アニメと海外アニメを比較する時によくディズニーの名が出て来たりしますが、TV用日本アニメと劇場用ディズニーアニメを比較とか、前提として食い違ってることが多いじゃないですか。比較ならせめて劇場用オリジナル作品同士でしょ。
ディズニーのTV用アニメとかで比較ならまだしも。しかもサンプリングがたった一社のアニメスタジオとかってやはりおかしいでしょ(笑)
カートゥーンネットワークスタジオとシンエイ動画の比較とかだったらまだ比較として成り立つような気がしますが、あまりそのようなものは見かけません。
でもね、一般人とか普通のファンとかが話題に出してああだこうだ言うのはいいんですよ!むしろ認識度とかのはかりにも使えたりしていろいろ興味深いし!
問題は研究者や評論家の方々が、まともに読んでも無いのに思いつきや印象だけで比較したり語ったりしているケースですね。これ最悪。
なかなか面白い考察してんなーと思っていたのに、(理論の補強のためかわからんけど)無理矢理海外ものを出してきたらとたんにトンチンカンになっちゃうことの多いことといったら・・・・
音楽でも映画でも小説でも、そしてスポーツですら、国内ものしか知らないっていう評論家や研究者は皆無です。しかし、マンガやアニメだけは違う。サボってんの?
マンガやアニメの研究や批評はまだまだこれからですね。
ちょっと筆が滑りすぎたかも・・・・
なんというか、たまにはグローバルな視点をもった評論や研究も読んでみたいな、と思う事が多かったもので。
この前注文してまだ届いていないんですが
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「アニメすげえ!すげえ!」じゃなくてビジネス視点からドライに書かれていそうで、なんとなく期待はしている。
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コメント
- タッキー:
- 『ベルサイユのばら』です。漢字だと別方面の作品みたいですね。
- スカポン太:
- すみません!スカポンたんはドジっ子なので!!
確かに別の作品みたいだw
直しておこう・・・・こっそり
- VicIsono:
- うるさ型のotakuは
If the creators are not Japanese, it's not manga.
って言ってるんですよね。
コリアンコミックの事はmanwhaと呼ぶし、
最近はアメリカン・ヒーローコミックをAmeComi と呼ぶのも定着しちゃったみたいだし。
アメリカンmangaなんてmangaに対する冒涜だ~とか言ってるotakuを見ると、
私なんかは、往年の「ロボットアニメなんてSFじゃない」を思い出して
そんな了見の狭い事言うなよ~と、苦い気持ちになるんですけど。
まあ、流石の私もShojo manga style X-Men はカンベンして欲しいですが(悩)
- スカポン太:
- If the creators are not Japanese, it's not anime.
というものも見かけますよね(笑)
でも、 「AmeComi」も逆輸入されているのか!これはおもしろい。
>Shojo manga style X-Men
まあ、あれはね(笑) でも、本編があれに切り替わっちゃうわけでもないので、それはそれとしてなんだか自分は楽しみです。