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「封印されたミッキーマウス」を読みました

517sb619E7L.jpg封印されたミッキーマウス(安藤 健二)

なんかうまい具合にタイムリーだったので、さっそく読んでみました。
う、うう~~~ん。

宣伝文句が過剰すぎたかなあ。
前出の封印シリーズ本と違い、今まであちこちで書かれてきたエッセイをまとめたもので、ほんとに軽いエッセイ集という感じ。いままでのもののようなものを期待すると肩すかしをくらう。
中には単に真相にせまるどころか「こういう回収さわぎがありましたよ」といった紹介記事程度のものすらある。まあエッセイ集だからしょうがないんだけれども。(タイタニックの話はわりと面白かったです)

表題にもあるミッキーマウスの話は予想どおりプールの絵事件のルポ。
この作者らしく伝聞だけに頼らず直接取材しているところが好感もてるが、どうにも「ディズニーは著作権にうるさい」という先入観が抜けきれていないでおこなっている感が強かった。
この本では作者の取材順にかかれているが、それを省いてここでの取材によって得られた結果だけをもとにまとめてみよう。
1987年 大津市晴嵐小の卒業制作としてプールにミッキーとミニーの絵を描く
1987年 3月13日 読売新聞滋賀県版にて報道される
1987年 7月10日 サンケイ新聞が「ディズニーがクレームを入れて絵を消させた」と報道(ディズニーは5月にプールの絵について知ったと書かれている)
1987年 9月ディズニーより「スティーブ中曽根」名義でお詫びとして「国際版 ディズニー名作童話」が小学校に寄贈される。(この寄贈書は見つけられなかったが写真が残っていた)
ディズニーの社長夫妻がお詫びに訪れたという話もあるが、この件に関しては確証得られず。

2000年11月3日の『週刊金曜』に「この後、児童全員をディズニーランドに招待した」という話がオリエンタルランド広報部(東京ディズニーランド経営会社)へのインタビューとして載っているが、どうもそれはなかったようだ。
作者はディズニー側の発表として扱っているが、週刊金曜日やオリエンタルランドへの取材はおこなっておらず、週刊金曜日のソースの信憑性は不明。


当時の担任の弁では「まあディズニーの対応はもっとも」ということで終わった話だが、マスコミが「非情なディズニーvsかわいそうな生徒」という形であおっていたらしい。
「でも、テレビ局も新聞も、元担任の私たちのところへは誰も取材にきませんでした。」

まさに誰も裏をとらず噂で拡大してゆく都市伝説のパターン。マスコミの信憑性はいまさら言うまでもないだろう。

しかし、この作者らしくちゃんとディズニー・ジャパンの広報にも取材を試みている。こういうとこは評価できる。
「著作権に関する方針や見解については公表しないことになっています」「こちらは日本支社なので一切答えられません」
作者は意外だったようだが、まあ・・・しょうがないかなと。
ディズニーが仮にその線引きを公開した場合の影響はおそらくはかりしれないから、うかつなことは言えないであろうことは十分予測できる。もちっとがんばって本社にも突撃かましてほしかったなあ。

こちらの長野県教育委員会のサイトのこのトピックによれば、(トップからのリンクは切れているっぽいですが)須坂市立小山小学校ではちゃんと使用許可をもとめ、ディズニーキャラクターを使用が承諾されている。このことを報道しているマスメディアは無さそうだが。
また、図書館の改装にあわせて、子ども達が入ってみたくなるような雰囲気を作りに努め、館内の装飾デザインに統一感や親しみを持たせるために、子ども達に人気のあるディズニーキャラクターを図書館のイメージキャラクターとすることにしました。キャラクターの使用にあたっては、米国のディズニー本社へ使用許可を依頼し承諾を得ました。情報化社会では著作権侵害が大きな問題となっていることから、使用許諾を得ることを通して、子ども達に著作権の遵守を意識づける良い機会となりました。


ディズニーの初期の作品については著作権がきれてパブリックドメインとなっており、ディズニーとは無関係な会社からDVDが出ている。
この本ではディズニーだけしか扱っていないが、もちろん同様に著作権が切れているフライシャー版スーパーマンやベティーブープ、ポパイなども無関係の会社からとっくに出ている。(ネット上でもパブリックドメインとして無償公開しているサイトも多い)

この本ではその古いディズニー作品を販売していた会社にもインタビューをしていて
「クレームは無かった」「ブエナビスタに確認したが特にやめてくれとは言われなかった」というコメントも載っている。
その後「では、そこに出演しているミッキーマウスの絵は誰もが自由に使えることとなるのでは」という作者の展開はちょっと変ですが。映像作品としてその作品そのものはパブリックドメインですが、ミッキーそのものは商標登録物なので誰もがそれを自由に使えることはありません。
さらっと書いてあるけど割と重要なとこで、ちゃんとディズニーに確認して販売したものだったんですね。許可したという形ではないけど、無許可というわけでも無いというか。
「ディズニー社の預かり知らぬところで作られ、売られている」わけでは無いということです。

ディズニーはこういった著作権切れのものに対しては何も言わなかったのに対して、著作権が切れていたはずの初期の黒沢映画のDVD発売に対しては販売停止の訴訟事件が日本でおきています。
日本の方がよっぽどうるさい?????
別にディズニーが著作権にうるさい会社であってもいいんだけど、調べれば調べるほど実際におきた事実のみをみていくと、ディズニーはむしろ著作権には寛容な会社なんじゃないかとすら思えてきます。

プール事件にしても莫大な請求も訴訟も無かったわけですし。

実際にディズニーがおこなった訴訟事件やそれ以外のクレームの実例があればと期待したのですが、この本でも関係者の自主規制や推測による常識ばかりで具体例が何もなかったのが残念でした。

海賊版や商業無断使用に対しての抗議はそりゃ当然のことだろうし、「警察が交通安全運動や防犯運動に使った場合でも・・・」いやダメでしょ常識的に考えて。なに?それとも日本は警察だったらどのキャラクターでも無許可で自由に使えるん?
ちなみにピーポくん無断使用Tシャツは警告や注意ではなく逮捕事件になりました。>(著作権ではなく商標権であるとこがポイント 同時にそれをパロディとしても認めていない)
そういえば、ディズニーのパチモンTシャツとかたまに見かけるけど、逮捕事件とかあったのでしょうか?むしろディズニーはパロディものに対しては寛容というか甘いという気すらします。
Rat Finkはもともとミッキーマウスのパロディキャラとして誕生しました。

ついでなので、ハリーポッターに関しても。
たまにハリーポッターの二次創作に関してもタブー視されていると聞くが、調べてみるとこれも都市伝説っぽいですね。
そもそもハリーポッターのファンサイトに対してJ・K・ローリング自身支援したり好意をもって接していましたが、その内容を商業用として出版しようとした時に摩擦が生じたことが噂の発端でしょう。
うまい具合にちょうど最近のニュースも出てました。>ハリポタ作者、ファンサイト出版差し止め裁判で証言
ローリングさんは2004年5月、自身の公式サイトでアーク氏のファンサイトを称賛していた。しかし同氏がサイト内容を出版し、1冊24.95ドルで販売することを計画した際、同氏と一線を画した

日本ではその経緯もわからず作者さんがファン活動に対して怒っている!とだけ伝わり広まった都市伝説かと思われます。

ちょっとズレるけど、こちらを読んでも「作者自体は二次創作に対しては、非常に寛容な人らしく」ということですし。
「二次創作に寛容」が日本ではなぜか「二次創作に厳しい」と認知されているのが面白いところです。
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コメント

VicIsono:
amazonからまだ届きません。ちっ。

確かに「日本は著作権後進国だからディズニー並みに」
とかほざいてる日本企業の方がよっぽど五月蝿いですよ。

かつて運営していた総英語の○ケモンファンサイトを
○プロの恫喝で潰された生き証人がここに。

エロパロでもなんでもない、ごく普通のファンアートと
日本の出版物からの著作権法の「引用」の範囲内の引用翻訳を、
「○ケモンビジネスの破壊行為」「一週間以内にデリートしないと法的処置をとる」
と剣呑なメールで脅されました。ふぅ。

5年過ぎた今も、あのメールの文面を思い出しただけで血圧上がりますわ。
(グチコメントですんません~)

「プール事件」は右(産経)と左(金曜日)が「幻想のアメリカ帝国」を
はさんで勝手に盛り上がっちゃった感じでしょうか?
スカポン太:
ええっ!ポケモンは実際にファンサイトに対してそんなクレームがあったのですね!
やっぱり日本の方が寛容でないような・・・・
まあ、今はそこまでのことは無いとは思うのですが・・どうなんだろう。

この本にもポケモン同人誌逮捕事件についてちょっとだけ載っています。
著作権意識の高まりの中「どう対応してゆくべきか」の判断で過剰に反応してしまった企業側のあせりと時代背景を感じます。
海賊版や商業無断使用に対して厳しいこととは違うと思うんだけどなあ。
日本においては海賊版より二次創作の活動の方が目につきやすかったということかもしれませんが。

にしても・・・本当に警告メールが来る事があるなんて。それは噂ではなく事実だったことに一番ビックリです。


あ、週刊金曜日って左の雑誌だったんですか(笑)

もちろん私の文章にも私の主観がいっぱい入ってますけどね。
スカポン太:
本の内容の読み違いがあったのと、その他追記して内容を少々修正しました
さかえ:
ちょっと話題としてはズレますが、日本のコンテンツ業界が規制と「権利に対する課金」に流れる中で、米アップルがiTunesで音楽と映像の配信事業を確立し、レンタルDVDのかわりに「ダウンロード後一定期間後に自動的に消える」仕組みを作り、権利保護とユーザニーズと収益モデルを鮮やかに実現したのが対照的です。日米の違い(というかアップルがすごいのだけど)がかいま見える気がします。
規制だけでは、その文化がやせていくだけに思える中で、日本のえらいさんは旧来の価値観にしがみついてブレイクスルーが見いだせない。残念というか気の毒な状況。
VicIsono:
2003年8月のことです。
*ファンアート(ごくフツーの)
*首藤剛志さんの小説の部分引用と英訳
*主題歌の英訳(原詞は載せていない)
を即刻消せ、さもないと法的処置をとるぞ、という内容でした。

ファンアートはともかく、出版物の引用は著作権法の定める範囲内で
行っていたし、歌詞についても作詞者やジャスラックから言われるなら
ともかく、○プロがそこまで仕切るの?・・・と疑問を感じ
担当者とメールのやりとりをしましたが、非常に高圧的な態度で。

版権管理会社の社員にしては著作権に関して無知な印象を
受けたので(私は法学部卒で無体財産権の単位もとってます)
○プロの別部署に「この人は本当に御社の社員ですか」
と確認のメールを送ったくらい変な対応でした。

私はブーム以前から作品のファンで、口コミネットコミで
応援してきた自負があったものですから、
「○ケモンビジネスの破壊行為」というフレーズには、
正直、かなり傷つきました。
百年の思い入れが一瞬で粉々になりましたね。

>週刊金曜日
かのトンデモ本『買ってはいけない』の連載元です。
基本的に「大企業=絶対悪」という姿勢。
スカポン太:
>さかえさん
確か前にもジョブスはコピープロテクトに対しても「コンテンツ提供側がやれっていうからやってるけど、なくてもいいというならいつでもやる準備はある」と言っていて、結局実現させましたし、
ダビング10とかiPod課金とかなんなんだって感じですよ。

>VicIsonoさん
うーむ、なるほど。そんなことが。
著作権対応に関してはちゃんとマニュアル化や基本方針が確立されておらず、個々の判断で対応するという変な状況は感じた事があります。
今でもそんな状況のままだとちょっといやですね。

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