ヴァンパイア美形の系譜

>ヴァンパイアは美形・・・・、すっごく納得です。ヴァンパイアものの映画って美形だらけですし、これは日本でも同じかな〜(^^;)。ま、自分としてはドラキュラのほうが好きなのですがv軟派より硬派ほうが良いですよ、人外は!!
人外好きとみた!ピキューン。

「ヴァンパイアの美形化」は、なんと言ってもアン・ライスの「夜明けのヴァンパイア」から始まる「ヴァンパイア・クロニクル」シリーズでしょうなあ。

以下、ヴァンパイア美形の系譜を語る

この「ヴァンパイア・クロニクル」シリーズは英語圏で大ベストセラーになりました。
「インタビュー・ウィズ・ヴァンパイア」として1994年映画化された作品なので耳にした事はあるかと。

自分としては幼女の時にヴァンパイアになり、そのまま歳をとらなくなった永遠のゴスロリ少女クローディアにキュンキュンしたものですが。
幼女!幼女!ゴスロリ幼女!!

失礼。

ところが、これのヒットはむしろ妖艶にしてお耽美な美青年ヴァンパイアたちでした。
映画ではアルマンはおっさんでしたが、原作では 美☆少☆年。

「トム・クルーズよりジョニー・デップの方が好み!」というのがゴス女子の好みだろうけど、意外なことにこれの映画の主役がジョックス野郎のトム・クルーズたっだのが面白いところ。
原作者のアン・ライスも当然これに反対してたんだけど、意外や意外トム・クルーズのレスタトはけっこうよかったんですよ。これは私も意外だったわ。

それはさておき、ここで「ヴァンパイア=美形」という図式が成立し、多くのフォロワーを生み出すこととなります。
これこそが現在も続く、「ヴァンパイア・ロマンス」ジャンルの誕生である。

「インタビュー・ウィズ・ヴァンパイア」は萩尾望都の「ポーの一族」との類似性がよく語られるが(年代も近いし)、ここはあえてゴス界の「真夜中の天使」と言いたい。
美形ぞろいってこともあり、ゴスの中心だけでなく、そういう妖しい雰囲気を好む女子たちにも支持され、ゴスはその周辺を拡大していったのであった。
というか、ゴスはやっぱりサブカルチャーであって、数としては限界がある。大ヒットは「永遠の命をもつちょっと影のある美青年とのロマンス」てのが一般のロマンス好き女子たちのツボに入ったからとも言えますが。

このヴァンパイアジャンルをさらに活性化してゆくのが「ワールド オブ ダークネス(World of Darkness)」
これは90年代に発売された「ヴァンパイア・ザ・マスカレード」というTRPG(テープルトークロールプレイングゲーム)の背景世界。
プレイヤーたちがヴァンパイアなどの闇の眷属となってプレイするRPGで、ヴァンパイアの氏族も数多く存在し、それぞれが闘争し、歴史の影で暗躍してきたなど設定が異常に細かいのが特徴。
これの影響はかなり強く、今のアメリカでのヴァンパイア設定はこの世界観を継承しているものが多い。
日本ではクトゥルフ以上にマイナーだが、今もって強い人気を誇り、「ワールド オブ ダークネス」をもとにした作品も数多く存在する。(クトゥルフネタはわかる人はまだいるかもしれないが、さすがにワールド オブ ダークネスネタは日本では気がつく人はめったにいないけど)
サブカルチャーを語るうえで割と無視されがちなゲームの存在だが、現在のヒロイックファンタジーが指輪物語よりD&Dからの影響が強いように、ゲームの影響力は大きい。
日本だとゲームといったらビデオゲームということになっちゃってるけど、アメリカでは今だボードゲームはさかんなのです。

さらにヴァンパイアものは1997年の「バフィー 〜恋する十字架〜」で加速する。
初期設定そのものはゾンビ屋れい子みたいなもんだったけど、美形ヴァンパイア「エンジェル」の存在が大きいのよね。
エンジェルの人気は高く、スピンオフまで作られることに。
恋人は敵であるヴァンパイア!しかも元は悪名高い不良だった!それでいてマッチョじゃないのにチョー強い!ああなんて悲しい宿命!なんてロマンス!

という感じでヴァンパイア美形設定は完全に定着し、よりロマンス傾向が強くなっていくのであった。

そこでステファニー・メイヤーの小説「トワイライト」の登場だ。
愛した人はヴァンパイア! もちろんヴァンパイアのエドワードは超絶美形!
これも日本ではまだそれほど知名度はないけど、ハリーポッターを越えるくらいのベストセラーだったりします。今一番ホットでクールな(どっちやねん)ヴァンパイアものでしょうか。
そんなわけで、こちらも去年映画化されて大ヒット。そして今年の11月に続編「New moon」も公開です。

まあ男の子向けヴァンパイアの流れもあるんですが、そっちは「ヴァンパイア強えええ」のアクション傾向が強く、そこでは必ずしも「美形」ではないんですが、圧倒的に市場ではロマンス系の方が強く、今やヴァンパイア=美形はほぼ絶対的になっているというのが現状ですね。

そんなわけで、今や欧米ではヴァンパイアはテーマや素材ではなく、「ジャンル」化してたりします。アン・ライスのころの「ヴァンパイアたちの群像劇」はなりを潜め、今は「ヴァンパイア超絶美青年と普通の女の子」というのが定番のパターンでしょうか。

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コメント

ピータン:なるほど
とっても勉強になります。
ヴァンパイヤってジャンルだったんですね。
ゴスッ子やギークって、国によって趣向に差異がありますが、その辺がなんとなく整理されて、理解出来たような気がします。

とっても面白く読みました。

いきなり失礼しました。
VicIsono:
私のフェイバリット菊池秀行は『妖神グルメ』なんで、
お耽美趣味はよくわかりませんwww

ツンデレ美形の吸血鬼と、一途でワイルドな人狼の間で
三角関係・・・というのが黄金パターンのようですね。
本質的な構造は、少女マンガの典型ですな。

TVドラマでは、小説の“The Southern Vampire”
を原作とした“True Blood”なども人気のようです。

パラノーマル・ロマンスの読者賞は1999年創設なので、
90年代半ばくらいから数的に安定供給されるようになったみたいです。
http://paranormalromance.org/PNRpearl.htm
「吸血鬼部門」「人外変化部門」「タイムトラベル部門」とか色々有。
天下のハーレクイン社でも流れに逆らえず、
パラノーマル・ロマンス専門の「LUNA」ラインを2004年に創設しています。


ところで検索中に見つけたんですが、この事件ご存知?
アメリカの名門校のハーフ・ヴァンパイア騒動(March 27, 2009)
Vampire rumors spur alert at Boston Latin - on bullying
http://www.boston.com/news/local/massachusetts/articles/2009/03/27/vampire_rumors_spur_alert_at_boston_latin___on_bullying/

デマが昂じて校長が保護者に文書を回す事態にまでなったそうな。
で、デマの出所をたどったら、ゴスっ娘に対する校内いじめだったというオチ。
どうコメントしたらいいんだか。
たいき:ヴァンパイア、それともファンガイア?
キバもそうでしたがあれは、
他のヴァンパイアでしたね。アメコミ風というか。
りおこ:ダッキュラ伯爵からアーカード、そしてエドワードへ
こんにちは。
7月27日の朝日新聞にも吸血鬼ブームは取り上げられていたけど、ここまでロマンス化されるとは。ブラム・ストーカーやシェリダン・レ・ファニュが見たら驚きそうです。新聞には、シャーレイン・ハリス(“True Blood”の原作者)の作品の吸血鬼は社会的マイノリティの扱いだとありました。その記事にはヴァンパイア・ロマンス小説という単語も見られたので、ヴァンパイアものってロマンスになりやすいんだなあと思いました。ただ、その一方でギルレモ・デル・トロのデビュー作やローレン・ハミルトンの"Skin Trade"の書評を見る限りは、ロマンス性が低いということはわかるので、そういった吸血鬼もののさくひんもたくさん出てくると思います。

それでは
けぺる:
日本の少女漫画でも70年代から80年代にかけて「ポーの一族」以外に「ときめきトゥナイト」や「こうもり城シリーズ」「悪魔の花嫁」など異形をメインにしたジャンルが芽生え始めていた気がするのですが、乙女チック路線に押されちゃったのかな?

そうか!「幽霊城のドボチョン一家」でミミちゃんをドラキュラと狼男が取り合うのが元祖なのか!<違
スカポン太:
>ピータンさん
気がついたらジャンル化してたっていう感じですかね。
別に「テーマ」でもいいんだけど、ジャンルというくらい似たようなものが膨大にあるので。

>VicIsonoさん
妖神グルメって・・・・古いな!
せめてヴァンパイアハンターDなら、ほらちょっとお耽美な感じが。超絶美形だし。

ヴァンパイアものだと人狼ももれなくセットでついてくること多いですよね。ヴァンパイア人気の影に隠れちゃう感じはあるけど。

「True Blood」忘れてましたー。まあキリないからいいよね(笑)

ヴァンパイア騒動の事件は知りませんでしたが、今年か!
やっぱりここでも「Twilight」が言及されてるなあ。

>たいきさん
そうですね
スカポン太:
>りおこさん
日本の新聞でもそんな記事が。それだけ吸血鬼ブームが加熱してるってことなんでしょうね。
いわゆる「男の子向け」タイプのヴァンパイアも超人的アンチヒーローとして人気はあるんですけどね。アメコミでは「ブレイド」とか。
ただ今はロマンスタイプの人気がえらいことになってるというので目立ちます。

>けぺるさん
「悪魔の花嫁」とか懐かしいなー
日本では多様化のせいで埋もれちゃった感じがしますが
今でも「ヴァンパイア騎士」とかありますし、それなりに定番って気がします。
そうそう、「ヴァンパイア騎士」はやはり海外ではえらい人気です。もちろん美形だらけさ!
k-なっとう:
そういえばコナミのゲーム「悪魔城ドラキュラ」シリーズも、
途中から耽美系にシフトしましたねぇ
ヴァンパイア美形化の流れに乗ったのかな。
スカポン太:
そういえば!
日本でもヴァンパイア美形化は急速に進みましたからね。
清水三毛:VTM
ヴァンパイア・ザ・マスカレードが、そんなに文化的影響を与えていたとは驚きです。訳本でいちど遊んでみたかったんですが、ああいう重たい世界でつきあってくれるプレイヤーさんがなかなか当時おりませんで。
人狼といえば、VTMと同じ世界で、ワーウルフのTRPGも出ていましたね。
スカポン太:
ワールドオブダークネス(の世界観)からきたという設定のプロレスラーもいたようです。
それだけアメリカではポピュラーみたいですよ。

ワーウルフキットも合わせて出てましたね。あっちも氏族がえらい細かくて(笑)

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