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醤油分布の謎をとく ~本醸造と混合醸造~ その1

醤油をめぐる冒険はまだまだ続く。(おヒマな人だけどうぞ)

先日の醤油味比べによって、同じ九州醤油なのにフンドーキンの風味はキッコーマン寄りだったり、遠く離れた東北醤油キッコーヒメなどがむしろサクラカネヨなどの風味と似ていたりしたのが不思議だったのですが、謎が解明できました。

kikoman_02.jpghundokin_02.jpg
キッコーマンとフンドーキン

sakurakaneyo_02.jpgkikohime_02.jpg
サクラカネヨとキッコーヒメ

ここで注目すべきは「名称」のところ。すべて「こいくちしょうゆ」なのですが、その後に続く()の中が違う。キッコーマンやフンドーキンは『本醸造』。カネヨやキッコーヒメは『混合』

そう、同じ濃口醤油であっても醸造法が違う別種の系統だったのだ!
ここで一旦醤油の種類についておさらいしておこう。

現在のJISによって規定されている醤油の種類は5種類。()内は日本におけるシェア率
「こいくち(83.0%)」「うすくち(14.0%)」「たまり(1.5%)」「さいしこみ(0.8%)」「しろ(0.8%)」

さらに醸造方式によっても区別される。
「本醸造(79%)」「混合醸造方式・混合方式(21%)」

そして本醸造方式も製造手段によって「速醸」「天然醸造」「手造り」にわけられる。
「速醸」とは一般的な機械や醤油工場などによる
「天然醸造」とは機械を使っていても発酵促進剤などの化学的手段や添加物を使用しないもの
「手造り」とは天然醸造であり、なおかつ木樽などを使い人力による製造をさす

また醤油の格付けとして
「特級(超特選・特選・特級)」「上級」「標準」がある。
(これらはうまみの指標となる窒素分で分類される)


さて、このうちの「本醸造」と「混合醸造方式・混合方式」
「本醸造」とは大豆、小麦、塩で作る「本来の醤油」製法。
「混合醸造方式・混合方式」はそれにアミノ酸液を加える製法。
(諸味の熟成過程で加えるのが混合醸造方式。出来あがった醤油に加えるのが混合方式。


sakurakaneyo_02.jpg
サクラカネヨの成分表をもう一度見てみよう。
確かに成分に「アミノ酸液」が入っている。まさしくこれこそが「混合醸造方式・混合方式」の特徴だ。

前回の醤油テイスティングを参照してもらえばわかるが、本醸造と混合では味わいが大きく違う。

本醸造「キッコーマン、ヤマエ、フンドーキン、福寿」
混合「サクラカネヨ、えびす醤油、キッコーヒメ、キッコーナン、ヤマキウ」

本醸造は香り高くキリッとした風味で、それは例えるなら精悍で逞しい青年のよう
混合は塩辛さが弱く口当たりがやわらかでやさしい味わいだ。そうそれはプニっと柔らかい少女のようだ

「混合醸造醤油って女の子の味だよな」

syouyuhikaku.jpg
醤油擬人化で表すならこうなる。
うーん、すばらしい。

sakukakaneyo_usukuchi01.jpgsakukakaneyo_usukuchi02.jpg
サクラカネヨのうすくち醤油。成分表の表記順に注目していただきたい。
成分表に記載される材料はその使用比率が高いものほど先に表示される。醤油の主成分たる大豆や小麦よりも先に表示されている。これが混合式による「うすくち」だ。

「うすくち醤油」は成分比率の関係もあるが、醤油の濃い色があまり出ないように醸造期間が短いのが特徴。

しかし、「混合方式によるうすくち」は「本醸造のうすくち」と違い「アミノ酸液」の量を増やすことによりうすくちを再現しているように思える。(メーカーによって違うかもしれないが)

kikohime_02.jpg
再びキッコーヒメの成分表。
キッコーヒメは秋田醤油の中でも特に淡い味わいだったが、まさしくこの成分比率は混合方式のうすくちそのものだ。特にうすくちとうたっていないだけで、他の地域・他のメーカーであれば「うすくち」と言っていてもおかしくない。
サクラカネヨはうすくちでもかなり甘いので、むしろ甘み濃口醤油と言った方がしっくりくる。
当然どちらも一般的な(すなわち本醸造の)うすくち醤油とは味わいが大きく異なる。


関東圏ではほとんど目にすることのない「混合方式醤油」。
少ないサンプルであったが、東北と九州の醤油のほとんどが「混合」だったのは偶然だろうか?
そしてその中でなぜフンドーキンは本醸造なのだろうか?

かなり長くなってしまったので、それは次回で語ることとする。(次回もあるのかよ!)
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コメント

もきち:
すっかり「もやしもん」のウンチクコーナーみたいになってきましたねw 
密かに楽しみにしています。
スカポン太:
まさに誰得?って感じでやってるんですが、そう言われると嬉しいなあ。
もやしもんかあ、そういえば今週のもやしもんではちょっと醤油が出てきた(笑)

もやしもんみたいにやるなら、もっとユーモアが欲しいですね。
どうせなら楽しく読んで欲しいし。
noen:
本醸造、混合方式の所で爆笑しました。何気なく皆さんが描かれた擬人化がちゃんと性別に変換されてたのね。。
お暇があればここの編集に一手間加えて頂きたいです・・!性別とか、性別とか・・!
http://pedia.pixiv.net/a/%E9%86%A4%E6%B2%B9%E6%93%AC%E4%BA%BA%E5%8C%96
ゆずのきB佳:
まだまだ続いてますね。楽しいです(笑)。

アミノ酸液がわからなかったので検索したら、エバラのサイトにありました。

>大豆を加水分解して作った調味料です。(醤油のような調味料です)
>※加水分解とは、原料をアミノ酸に分解する製法

大豆から旨味成分を抽出したもの…でいいのかな?
つまり、「みりん」と「みりん風」の違いみたいな感じ?(違うか)

ところで、生協で「フンドーキン醤油 ゴールデン紫」買いました!クッキングパパの味再現にチャレンジしてみます!
スカポン太:
>noenさん
pixivにそんな機能がついていたんですね。早くも醤油擬人化項目追加ですか!
味わいの性別はあくまで私の主観なので、特に気にせず好きにやればいいんじゃないかと(笑)
フンドーキンにも混合醸造の醤油はありますし。

>ゆずのきB佳さん
ありがとうございます。
「アミノ酸液」
それでだいたい合ってます。通常は細菌の力で時間をかけて分解するんですが、化学的に処理したものがそれですね。

フンドーキン入手されましたか!ぜひそれで九州の味の再現を!うまいぞう
爾百旧狸:
醤油系のおかずを食しつつ、ここの醤油記事を読むのが
ささやかな楽しみになっております。

味わい性別か・・・チェック項目が増えましたw
スカポン太:
どうもー^^
アミノ酸醤油はもしかしたら東北か九州(または北陸)あたりでしか入手できないかもしれませんが
十べえ:
えびす君ではなく、えびすちゃんだったのか…
醤油で抜けそうになってきました!

ぺろぺろはぁはぁっ
スカポン太:
おかげさまで毎日えびすちゃんをペロペロさせていただいてます!

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