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関東醤油味比べ

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関東醤油戦士参上!どぎゃーん
なんだかんだと揃ったので、まとめてテイスティングしようかと。
群馬の正田醤油が混じってるから「関東醤油」ってことにしたけど、ほぼ千葉醤油です。
ただ、キッコーマン、ヤマサ、ヒゲタ、正田の4社が関東では圧倒的シェアを誇り、まさに関東醤油といえばこれ。

以前やった醤油テイスティングでも、キッコーマンや正田醤油をテイスティングしましたが、あの時は東北、関東、九州という違った地域の醤油。今回はどれも関東醤油ということで、果たして違いがわかるかちょっと不安です。

では、その関東醤油戦士たちを改めて紹介しよう。
天下一品ミスター醤油「キッコーマン(特選丸大豆しょうゆ)」(千葉県野田市)
さらにキッコーマンから隠し球登場「キッコーマン 生しょうゆ」(千葉県野田市)
銚子の雄、威風堂々業界ナンバー2「ヤマサ醤油」(千葉県銚子市)
実はキッキーマンより遥かに老舗!伝統の技が光る「ヒゲタ醤油」(千葉県銚子市)
野田にありながらローカル醤油!わが道をゆく「キノエネ醤油」(千葉県野田市)
唯一千葉以外から参戦、群馬のやんごとなき醤油王「正田醤油」(群馬県館林市)

以上6醤油戦士、さっそくテイスティングです。
ちなみに関東醤油だけあって、すべて「本醸造」。
え?ヒゲタはどれだって?
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これです。
「セブンイレブンやないかい!」えーと、まあそうなんですけど、中身はヒゲタなんですよ。
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ヒゲタは一般用にはあまり出回ってなくて、ちょっと入手が難しいのです。今回はこれで代用。
このようにOEMみたいな感じで出荷される醤油ってのはけっこうあるんですよね。
マルキンなんかもスーパーのブランドとして名称をかえて出荷されてたりします。


さて、テイスティング・・・・


・・・・

違いがわからん!!!!!!!! 終了。

と、言うのもなんなので、もうちょっとよく吟味してみます。
それぞれ豆腐にかけて味わってみたり。

ただ、突出して違いがわかるのは「キッコーマン 生しょうゆ」
これはあきらかに違う。ただ言葉で表現するのはやっぱり難しいなあ。
なんというか、味と香りがほぅあ~~と「ふっくら」としてると申しましょうか。味のひろがりが大きい。
例えて言うなら、他の醤油がビシっと服を着て引き締まってるのに対して、
こちらはまるで寝起きのほんわかした感じというか。抽象的すぎるだろ。
ちょっと遠くに甘みも感じますね。うん、おいしいです。

そしてキッコーマン(特選丸大豆しょうゆ)。
今まで他の醤油と比べてきて、なおかつ似たような関東醤油たちとも比べてみて思ったけど、キッコーマンの醤油は「香り」が頭一つ抜けて高い。この花開くような香りの高さこそキッコーマンの特徴だろうか。
あと、豆腐にかけて食べると、この中ではキッコーマンの醤油だと特に豆腐の甘みを感じる気がする。

他は正直区別つきにくいけど、わずかにヤマサが「さらり」とした感じかなあ。触感がさらりとしてるわけじゃなくて、味がさらりというか。自分でも何言ってるんだかよくわかりません。うーん、少ししょっぱいかしらん。

ヒゲタさんは若干濃い?気のせいレベルですが。

正田醤油は・・・普通。

キノエネは「旨味」の方向性がほんの少し違う。また抽象的なことを!なんだよ方向性って!?
なんというか、後味が微妙に違うんだけど、それをどうにも言葉にできません。

九州の醤油は地域やメーカーが違えば味も大きく違う個性的なものが多かったけど、関東醤油は違いを語るのは難しいです。正直、ブラインドきき醤油したら絶対間違う。全然違う事言いそうだし。
このへんは神の舌をもたざる私の限界だわ。


とりあえず、そんな感じで改めて個別紹介です。
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キッコーマン(特選丸大豆しょうゆ)[本醸造]
原材料:大豆、小麦、食塩
キッコーマンは特に「香り」を重視して改良されてきたのかなー。それとも元々それこそがキッコーマンの特徴だったのか。どうだかわかりませんが、意外に個性ある醤油だったんだなと、今回思いました。

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キッコーマン(生しょうゆ)[本醸造][生しょうゆ][再仕込み]
原材料:大豆、小麦、食塩、みりん

あ、みりん入ってたのか。あの遠くにわずかに感じる甘みはみりんだったのかな。
醤油は出荷に際して「火入れ」とよばれる加熱による殺菌をおこないます。
これをせず、もろみから絞ったままのものが「生しょうゆ」(しぼりたての牛乳みたいなもんかと)
そのため、この生しょうゆは普通の流通にはなかなか出回りません。
(菌が生きている活動し続けてるので発酵が進んじゃうもの)
これはキッコーマン工場に行った時に実は買っていたものです。「現地工場のみの限定販売」と言われりゃそりゃ買うでしょ!!
再仕込みなのは、より醤油の風味を強く感じさせるためなんだろうな。

試しに炒め物に使ってみたら、普通の醤油より少し紫がかって見えた。気のせいだろうか。

醤油の風味をぶわぁーーーっと感じられるのはなかなかいいです。おいしい。
再仕込みはヤマジ湯浅醤油のものも手元にあるけど、あれにあったような苦みは感じられない。風味ももっと若々しい。これは生しょうゆだからなのか、キッコーマンの醤油の特性なのかは不明。




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ヤマサ[本醸造]
原材料:脱脂加工大豆、大豆、小麦、食塩、アルコール
醤油ナンバー2のヤマサだが、その割にスーパーなどで見かけるのは圧倒的にキッコーマンの方が多い。
ヤマサはむしろ業務用のシェアが高く、キッコーマンは家庭用シェアが高いと言われているからだ。
業務用、すなわち料理店などで使われるのはヤマサだったりするわけだ。通はヤマサと言われる由縁である。
そう考えると、もしかしたら調理においてその真価を発揮するのかもしれない。
※一応煮込みもので試してみたけど、正直わからん。素人料理人には無理。

もしかしたらキッコーマンの香り高さは、調理より、そのままかけて使う用途に特化してきた結果なのかもしれないとふと思った。

新潟などではキッコーマンよりシェアが高いと聞いた事があるが、未確認。




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ヒゲタ[本醸造]
原材料:大豆、小麦、食塩
セブンイレブンブランドになったおかげで入手できたけど、ヒゲタもまた業務用がメイン。
特にそば用として愛用されていると聞く。
この味はそばつゆにしてこそ生きるのかなと思ったけど、自分じゃ再現は無理ですね。
そうしてみると、こういう直接味わう、ききじょうゆの場合キッコーマン有利なのかしらん。





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キノエネ(デラックス キノエネ)[本醸造]
原材料:脱脂加工大豆、小麦、食塩、アルコール、調味料(核酸)
商品名としては、今回入手したものは「デラックス キノエネ」と言うようです。
ん、核酸だと!?
これがわずかな味の違いだったのかなあ。
醤油のうまみ成分は「アミノ酸」特にその中の「グルタミン酸ナトリウム」。これは昆布のうまみ成分と同じ。
一方「核酸」は主にイノシン酸ナトリウムで、こちらは鰹節に含まれるうま味成分。
なるほど、そのハイブリット感が違いか!
・・・なんて言うともっともらしいけど、言うほど違いわからんかったです。九州の醤油のように塩気より旨味のほうが際立つくらいハッキリしてれば別なんだろうけど。多分そんなに入ってないんじゃないかなあ。記載順番も最後だし。
野田の醤油醸造蔵が合併してキッコーマン(野田醤油)になったのだが、キノエネ醤油はその連合には加わらず、今でも野田で単独で醤油を作り続けているところ。





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正田醤油[本醸造]
原材料:脱脂加工大豆、大豆、小麦、食塩、アルコール
印名としては「キッコーショウ」ということなのですが、茨城県柴沼醤油も「キッコーショウ」なので、あえてあまりこの名称を使わないのかもしれません。(茨城のキッコーショウの方が古い)
千葉3大醤油メーカーの影に隠れてしまっているが、かなり大きいとこです。江戸時代創業じゃないので大老舗ってほどでもないけど、それなりに老舗。(明治6年創業)

醤油業界では「亀甲印」は珍しいものではないけれど、ここはキッコーマンと極めて縁が深い。
そもそもキッコーマンの一族(茂木家)から醤油醸造を伝授され醤油を作り始めたところなのだ。
群馬の地にありながら、千葉の有力醤油醸造家と肩を並べる地位でもある。
そもそも正田家は名門の家系で、美智子皇后もここの家系ですね。(旧名は正田美智子)
また、創業者の正田文右衛門(3代目)の息子「正田 貞一郎」が製粉業をはじめるのだが、それが後の「日清製粉」と日本食品界にも強い影響力をもつ。

正田醤油は別会社として埼玉と秋田で醤油業もおこなっている。
埼玉熊谷市の「きんまる星醤油」
そして秋田県にかほ市の「キッコーナン」

な、なんだってーーーーー!(今調べて、今気がついた)
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正田醤油とキッコーナンは同じ会社だと!?

キッコーマン ←師匠- (正田醤油 - キッコーナン[同系企業]) こういうこと?

キッコーナンが亀甲印なのもそのため?
詳しい情報が無いのでわかりませんが、多分もともと秋田日南工業はキッコーナンを作っていて、後に正田醤油に経営譲渡された(吸収合併グループ企業化とかそんなの)関係なんじゃないかなとは思うけど。どうなのかしら。

正田醤油はそれほど興味は無かったんだけど、なんかおもしろいとこですね、ここ。
こんなかんじか?
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コメント

ゆずのきB佳:
テイスティングで、それだけ違いが分かるなんてスゴイです!
思い出したけど、新潟では確かヤマサが売られてることが多かったです。キッコーマンはあまり見なかったように記憶してます。(どうでもいいか)

フンドーキン紫、使ってみました。家族は刺し身醤油みたいだねと言ってました。評判良かったです。
私的にヒットだったのはアボカド。すごく合いました。また欲しいな。
contracts:
そういやこの間行ってきたうなぎ屋の近くに○○醤油本社工場なるものがあったのですが…
キノエネ醤油でしたか。初めて耳にする名前です。
スカポン太:
>ゆずのきさん
いやいや、わかんないですよ!無理矢理感想作ってみました。
ヤマサが新潟で強いのは、どうやら本当のようですね。なんで新潟なのかしらん・・・
アボガドにフンドーキンかあ。そのうち試してみます。


>contractsさん
キノエネ醤油はマイナーですからねえ。
爾百旧狸:
パンダの目的はパンツそのものなのか・・・
フンドーさんの後頭部、レアです
スカポン太:
うん、きっとパンツならなんでもいいのかなと・・・・

って、爾百旧狸さんblog始めたのですか!?
うわ、いきなりPPGZ考察がすげえことに。
ぞうきん:
ヒゲタの本膳を是非味わってほしい!!
あの味は、他の出回っている醤油とは一線を画す
本当に高級料亭の味です。
刺身か握り寿司を、キッコーマンやヤマサ辺りと食べ比べてほしい。
自宅で一流料亭にいる気分が味わえます。
スカポン太:
ヒゲタといえば「本膳」ですものね。
そのうち機会があったら試してみたいです。
これがヒゲタの本気!な感じで
けい@のみすけ:
正田醤油の「キッコーショウ」と、キッコーマンは、会社的にはまったくの無関係です。
一説によると、キッコーマンがバカ売れしたため、縁起をかついで・・・
キッコー=亀甲
の中に色々な文字を入れた・・・のだとか・・・。
ま、あくまで一説によると・・・というレベルのお話です。
ちなみに東京の多摩地区には「キッコーゴ」という名前の醤油もありますよ!(^o^)
あと正田醤油ですが、こちらは美智子皇后の実家の本家筋だそうで、
美智子さまのお父様のお兄様が創業されたメーカーだそうです。
このメーカー、群馬県の館林市にありますが、正田家は館林の名士だそうです。

あ、それから千葉県産の醤油でしたら「ちば醤油」というメーカーもあります。
「イリダイ醤油」という名前で販売されていましたが、現在では「下総醤油」のほうが
有名になってしまいましたかね・・・。
こちらも単体で味わうとかなり塩気が強く感じますが、刺身や冷奴、煮物などに使うと
かなり良いお味に仕上がります(^o^)

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