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Yoko Tsuno 1: On the Edge of Life

Yoko Tsuno 1: On the Edge of Life
Yoko Tsunoのイギリス版1巻(オリジナルのフランス語版では7巻にあたる)のレビューです。

さて、今回のヨーコさんの冒険は?
今回の舞台はドイツのローテンブルク・オプ・デア・タウバー(Rothenburg ob der Tauber)。
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ドイツの友人イングリッドの手紙でローテンブルクにやってきたヨーコさん。

という風に、どうやら世界各地を舞台にいろいろ冒険するようですね。
まさにタンタンの女性版というか、フランスのジョニー・クエストというか、そんな感じ。

これだけ見ても分かるように、とても丁寧に背景が描かれている。
Yokotsuno_v1_02.jpg
ここなど、ローテンブルクの名所「プレーンライン」そのまま。絵はがきあるような定番の構図。
もしかしたらサスペンス劇場「京都なんちゃら殺人事件」のような観光アドベンチャー的な要素もあったのかもしれない。
構図的にも「背景を見せる」というものが多い。

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さて、イングリッドに会ったヨーコさんですが、
「この手紙を出したのは私じゃないわ!」
「ぼくです。」イングリッドのいとこのルディ登場。ばばーん!

これは半ページですが、基本的に半ページおきに「意外な事実」「急展開」「新たな謎」「次ページへのヒキ」がもりもまれており、なかなかに濃密です。

また、人種の違いも意識しているのか、ヨーコさんは他の人に比べ肌の色が少し黄色い。

このルディからヴァンパイア伝説を聞かされ、そのヴァンパイアにイングリッドが狙われていると言う。ヴァンパイアが現れるのは周期があり、次に現れるのは「今晩だ!」
そこでイングリッドをガードして欲しいというのが、ヨーコさんを呼んだ目的だったらしい。

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ヴァンパイアの正体はガスマスクの謎の女性?!
ヴァンパイアを追っていくと、この街には謎の秘密研究所があるらしいだの、そこで謎の暴漢に襲われたり、逃げたヴァンパイアから逆に依頼されたり、さらに秘密研究所は第二次大戦時のドクター・シュルツの家だの、そのシュルツにはMAGDAという娘がいただの、イングリッドは希少な血液型だったりだの、シュルツの妹の亡霊が現れたりだの、そこで娘の墓をあばきにいったりだの、すごい勢いで話が展開していきます。(ここまでで半分)
40pほどとはいえ、ストーリーを語り始めると長くなるので、まあこんな感じということで。


このころはすでにメビウスらのメタル・ユルラン(ヘビー・メタル)が創刊してBDもマンガ表現の革命がおきていたはずで、それを考えるとカッチリとしたコマ割りやもさい動線など、ちょっとその当時でも古くさい感じはあったのかなと思ったりも。
それともメタル・ユルランなどはマニアが読む物で、一般読者はやはりこういうオーソドックスなものを楽しんでいたのかもしれないとも思った。(実際のとこどうなんでしょう)


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ショッキングなシーンといえばヨーコさんが銃で撃たれて血を流すところとか。
この後、手術中に心臓が止まったりとか短い中で盛り上げる事盛り上げる事。

ここだけ見てもタンタンより読者層は少し高かったんじゃないかと思われる。

ヨーコさんで気になったのがこの番号。
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不思議な事に各ページが半ページごとに「A」「B」と別れている。すべてのページのこの「ページ数+A、B」がある。これは何なのだろうか?

Yoko Tsunoは書き下しではなく、ベルギーのマンガ雑誌「Journal de Spirou」に連載されていたもの。
この「Journal de Spirou」は週刊誌であった。といっても、日本の週刊マンガ雑誌とは大きく違い、週刊だがフルカラーで大判、そしてページ数は8pだったという。マガジンじゃなくてジャーナルって言うくらいだから、むしろ新聞の日曜版みたいな感じを連想すればいいのかなと思う。

「Journal de Spirou」は実物を見た事が無いので何とも言えないが、このヨーコさんはそこで毎週1pづつ連載していたんじゃないかと思う。
単行本は年に1冊のペース。そしてマンガ本編は46p。話の区切りごとに何週かお休みしたとして、ちょうど毎週1pづつなら計算に合いそうだからだ。

ページの最後のコマが次ページ(次回)へのヒキが多いのもそれならうなずける。(例えば上記のヨーコさんが撃たれたコマはページの最後)
ストーリーの密度はそこから生まれたものなのかもしれない。
ただ、「A」「B」はよくわからないですね。TV番組のAパートBパートのように、これは作者がそういうものを意識してつけたものだろうか。


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端正な顔立ちのヨーコさんですが、ビックリした時など、こういう目になるのが面白い。
ヨーコさんだけでなく、すべてのキャラがこういう「目」に。
まさに「目をまるくする」という、この作者の記号的マンガ表現なんだろうなあ。

あと、男性キャラなどはずっと同じ服だったりするのに、ヨーコさんはトレードマークの赤いオーバーオールスカートはそのままながらも、下のブラウスなど着替えたりしてファッションが何度かかわるのもオシャレといえばオシャレだ。

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そして最後にサービスカットの着物姿。

そのうち気が向いたら別の巻も買ってみたい。
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コメント

アヤコ
着物姿のYokoさん、素敵ですね!
海外の方が描いた着物って時々、重ねの右左が逆だったり、袖の形に違和感あったりしますがこれはかなりきれいだと思います。
(ただ、草履のまま正座は、鼻緒が無理するのと、着物が汚れるのであまりしませんが(笑))

ところで作者は日本に行ったことがあるのでしょうか?
今年のお盆は都農町に帰る予定なので、もし関連ある場所があれば調べてみたいです。
ゆずのきB佳:
なんて素敵なマンガなんだ!一気にファンになった!(笑)
リケジョなのもいい。
戸帆:
レトロな雰囲気のヨーコさんにうっとり。
美少女ですねえ。
スカポン太:
ヨーコさんは可憐でカッコいいです

>アヤコさん
ドイツなら(しかも今回は有名な観光地だし)多分取材してきたんでしょうが、日本はどうかなあ?
ヨーコさんが日本に行く話があるようなのですが、まだ英訳版が出ていないようなのが残念。
これで舞台が九州だったら面白そうですね。
本当に日本に行ったのなら、この緻密な背景の描きっぷりから場所は特定できそうな気がします。
都農町だったらどうしましょww


>ゆずのきさん
リケジョって何かと思ったら、ああ、理系女子ですね。
後半、若干SFぽくなります。(このレビューじゃそこまで書いてませんが)

>戸帆さん
レトロビューティなのがいいですよね!
まあ当時はレトロじゃなかったかも知れませんが。
ドラゴン坊主Z:
魔女の宅急便に紅の豚を髣髴とさせる街角の風景ですね、スカポン太さんももっとネタを書きたいならモーニング特別編集の講談社から発売されてるMANDALAというオムニバスマンガ本を買って取り上げるなんていいんじゃないんでしょうか、日本だけじゃなくイタリアにフランス、韓国にシンガポール率いるフー・スイ・チンまで執筆されてるので話のタネにいけると思いますけど…。(現在3シリーズほど出版されてますよ)
スカポン太:
>ドラゴン坊主Zさん
MANDALAは前に書いた覚えが
http://ppgcom.blog12.fc2.com/blog-entry-2015.html
FScのことしか書いてないやw

ただMANDALAは今のところ自分がコレと思うものが特に無かったですねえ。
書きたいネタは山ほどあるので、MANDALAはまた気が向いたらでしょうか。

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