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Fantastic Mr. Fox

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去年のアカデミー賞のアニメーション部門や、アニー賞で、カールじいさん、コラライン、プリンセスと魔法のキス、ケルズの秘密らと並んでなにかと名前が出ていて評価の高かった作品「Fantastic Mr. Fox」
ずっと気になっていたんですが、先日DVDで見ました。
「Fantastic Mr. Fox」Wes Anderson監督作品(2009)

これは・・・おもしろい!!!
なるほど、この時のアニメーション部門が激戦だったのもうなずけるわ。選者泣かせすぎる。
実際にこの年は1作品が賞独占ということにならず分散していた。超納得。

ごく平凡に暮らしているキツネ一家。
ただ、ちょっと違ったのは・・・・パパは泥棒だったのです!
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人間の農場の倉庫に進入しては、強奪を続けていたものの、ついに人間の逆襲にあい、狐の巣(家)ごと破壊。
穴を掘って逃げ延びたMr.フォックスたちであったが、息子が人間に捕われてしまう。
そこでMr.フォックスと動物たちの反撃大作戦が開始される!

なんかこう粗筋を書くとピカレスクドラマみたいだけど、中身はドタバタコメディ。
前に予告編などを見たときは、もっとアートアニメぽいのかなぁと漠然と思っていたのですが、そんなことはなく、トボけた笑いという感じで独特なユーモアが光る。

Mr.フォックスをはじめ動物達は完全に擬人化され、人間のような生活をしてるんですが、ポジション的には「ケモノ」。
それと対する人間は、そのまま人間の姿で描かれている。
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ただ、その番犬の犬は、四つ足の「犬」だし、Mr.フォックスの獲物となるニワトリはやっぱり擬人化されていない「ニワトリ」。そのへんが、なんかおもしろい。

Mr.フォックスたちは人間のように描かれながらも、ケモノなので、家は狐穴であり、地下にある。
そして穴を掘って進んだり。
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穴掘りシーンは最高。


登場するキャラクターがどれも個性的で面白いんですが、アップルジュース倉庫に侵入した時に出会う「ラット」がすごくカッコいいのですよ!
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こいつは人間側の用心棒でMr.フォックスとは何度か対決することとなるのです。


この作品は、コララインと同じく人形を使ったストップモーションアニメなのですが、コララインのような超絶技巧の洗練されたものと違って、少々チープ。
しかし、それが逆に動きや映像に強い味がでて「本当にストップモーションで動いている!」という感じがしてたまらないです。
動きに見惚れるというより、動きの面白さを楽しむというか。
多分わざとアナログっぽさを強調して作ってる気がする。

FantasticMrFox06.jpg
たとえば、煙や炎なども固形物のストップモーション。これがすばらしい。
コララインはリアルさ追求のためか、このへんCGを使っちゃっていたけど、あれは正直ちょっと残念だった。
この作品ではアナログっぷり全開の映像が見れて大満足。

話も面白いし、ストップモーションの動きも面白いのですが、自分が一番気に入ったのは「構図」

この監督の他の作品は見た事が無いのですが、映像の構図がピーター・グリーナウェイぽいんですよねえ。
フラットでスクエアでシンメトリー。

ほとんどの画面構図がそうなっているので、どのシーンでもいいんですが、例えば
FantasticMrFox09.jpg
こういう感じとか
FantasticMrFox10.jpg
こういう感じ。

人物が画面のど真ん中にいて、なおかつ真正面で向かい、背景はシンメトリーかつフラット。
これがすばらしく美しく、こういう画面構成は大好きなのでたまらなかったですね。


ところで、このMr.フォックスに登場する野球ぽい不思議なスポーツがあるんですが、
FantasticMrFox07.jpg
FantasticMrFox08.jpg
さっぱりルールがわからん(笑)
Mr.フォックスはこのゲームで何年もMVPをとっていたスタープレイヤー。

ところで、さすがアニメ大国日本だけあって、これは日本で映画公開されてないうえに、DVDでも出てないみたいですね。あははは。
「飛行機の中で流れる映画ではこれは日本語吹き替え版だった」という話を前に聞いたので、日本語吹き替え版は存在してるらしいんですがねえ・・・・どうなってんの。
もったいないわー。

追記)その後日本でも公開され、DVDにもなりました わあい
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コメント

ふこをさん:いいよね。
穴掘り最高。
massando:Fantastic Mr. Fox
はじめまして。
未公開作品と言えばフランスの合作アニメ「Chasseurs de dragons」という作品をご存知でしょうか?
アメリカでは「Doragon Hunters」のタイトルでソフト化されており、先日「ブレンダンとケルズの秘密」の北米版BDと合わせて買ったのですが、美術が素晴らしく、そのCG技術と共に驚かされました。
自分的にはヒロインのZoeのウザ可愛さもお気に入りです。
北米版「ケルズの秘密」にはアシュリンのアカデミー賞ノミネートのインタビューが映像特典に収録されており、ちょっとお得感がありました。
スカポン太:
穴掘り最高

>massandoさん
「Doragon Hunters」は そんなに詳しくは知らないのですが、2D作画のTVシリーズ版が気になっていました。
こちらは3DCGの映画版の話ですよね。
そうですか、映画版もそんなに良かったですかあ。
機会があればそれも見てみたいですね。

>北米版「ケルズの秘密」
おお、あの映像が収録されているんですか!アシュリン!!
massando:しまった!
お恥ずかしい、スペルを間違えていました。正しくは「Dragon Hunters」でした。
テレビシリーズはZoeが出ていないようなので、映画とはパラレルなお話みたいですね。
やはり3Dだったんですか!どおりで奥行きが凄いと思いました。
これが劇場で観られなかったのは、残念とかを通り越して不幸に思います。

ドイツの人。:
ソースは不明ですが
こんなQAが。
http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1247742967
スカポン太:
>massandoさん
あは、そのままコピペしたから自分も間違えてらw
そうなると、映画は映画として単独で楽しめそうですね。
ヨーロッパ系はほんと日本には全然来ませんなあ・・・

>ドイツの人
な、なにい!?
予定のまま消えてゆくことは多いけど、気になりますね。
それにしても遅いよう
通りすが郎:ファンタスティック Mr. Foxの日本公開が決まりました。
かなり待たされましたが、これは見たいですね。
http://eiga.com/preview/01324/
スカポン太:
>通りすが郎さん
どうも!
ロードショーは3月19日なのですね。
妙なユーモアがおもしろい作品です。

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