fc2ブログ

わんぱく王子とケルズの秘密

wanpakuouji.jpg

わんぱく王子の大蛇退治-予告篇(youtube)

東映動画の劇場用アニメ映画「わんぱく王子の大蛇退治」(1963年)

デジハリでのトム・ムーア監督トークショーでの話で
「ムーア監督はゲンディ・タルタコフスキー監督と親交があり、さらに二人とも『わんぱく王子の大蛇退治』に大きな影響を受けている」
ということがあったのがとても興味深く思えました。
こうしてみてみると、ムーア監督はジブリ好きと言っているけど、「ケルズの秘密」では今のジブリアニメーションよりも、はるかに濃厚にこちらの影響が強いように思えます。(まあ、若き日の高畑勲も参加してはいますが)

「ケルズの秘密」を見て、挿絵のようであり、カートゥーンのようであり、でもどこか古い日本のアニメのような・・という印象をもった人がいたとしたら、その印象はおそらく間違ってはいないのだろう。

「わんぱく王子の大蛇退治」は当時の日本でも、その平面的でデザインチックなキャラクターが斬新だと言われた作品。今風に言えばカートゥーンチックとも言われるんですかねえ。
温故知新というか、文化はめぐりめぐっていくというか。

クロウクルワッハと八岐大蛇。その他の動物のデザインなど近い物があるよなあ。

そしてゲンディも「わんぱく王子」が好きという話を聞くと、サムライジャックを見る目がまた違ってきそうです。
というわけで、東映動画関係者は「ケルズの秘密(Secret de Kells)」は必ず見るべきだ。
関連記事

この記事のトラックバックURL

http://ppgcom.blog12.fc2.com/tb.php/3905-29e4dacf

コメント

うちかたはじめ:
ああ!やっぱりか!
私も観て『わんぱく王子』っぽいな~と思ってたんです。思い過ごしじゃなかったんですね。
しかしタルコフスキー氏もですか。言われてみればアクゥ≒八岐大蛇な気がしないでもない気がしなくもない…

massando:
『わんぱく王子』は日本で公開された翌年の1964年にコロムビア映画の配給でアメリカでも公開されているようですね。
このYouTubeのUS TV Versionというはその公開時の英語吹替え版と思われます。

http://www.youtube.com/watch?v=q19BX_0aVec

興味深いのは音楽が伊福部昭の楽曲のままで「母のない子の子守唄」も日本語のまま使用されています。吹替えも声の質は違いますが翻訳はかなり忠実なようです。IMDbのデータによると上映時間が国内版より3分短いようですがどこがカットされたのかな?

ムーア監督にいつどこで観たのか尋ねると、以前スタジオを訪ねてきたアニメ研究家が置いていったビデオで観たと言っていました。

ムーア監督やタルコフスキ-監督が観たのもこの吹替え版だったのでしょうね。
森山塔晶夫:
非本質的な突っ込みですみませんがゲンディは「タルタコフスキー」
タルコフスキーは「アンドレイ」ですよね?
massando:
>森山様
お恥ずかしい。今まで勘違いしていました。ご指摘ありがとうございます。
スカポン太:
あ、全然気がつかなかった。タルタコフスキーですね。
とりあえず、blog文中は直しておきましょう。

>わんぱく王子
1964年にはムーア監督はまだ生まれていないので、リアルタイムで見る事はなかったでしょうし、ゲンディにしても多分そう。
きっと一時あちらのアニメスタジオ内でビデオが話題になったということかもしれません。
k-なっとう:
『わんぱく王子』は当時の東映スタッフが「今までに無い斬新な作品を!」という意気込みをもって
美術監督の小山礼司氏の打ち出した「マッスよりフォルム」(立体感より平面的な形)という様式を
重視してメインアニメーター一同、キャラデザインを分担したそうです。
小山氏は日本画科出身だそうで、そのスタイルがケルズに影響を与えたというのも、
とても興味深いですね。
まつむら(みづる):
おお!わんぱく王子ではないですか!内容としては昔の物だなって感じですが
とにかく美術が素晴らしい映画です。何気にこのシリーズ集めてますが
内容は個人的に微妙な気がする物が多いような。。。。

でも、向こうでも好きな人は好きな作品なのですね!ちょっと嬉しい。

幼女・・・いえいえ、かわゆい子好きなスカポン太さんなら絶対ヒロインのクシナダ姫
わっしょになると思いますよw

スカポン太:
>k-なっとうさん
ああ、そういえばなっとうさんこのへんお詳しいんでしたよね。
平面的なデザインでトボけたギャグものをというのはあって、アクションは世界的にも珍しかったんじゃないかと思います。
そのあたりがあちらのカートゥーンアーチストにも驚きとともに刺激になったんではないかと思うのですが、どうなのかなあ。

>まつむらさん
クシナダ姫わっしょ!

内容はさすがに古さを感じるかもしれませんね。
ただ、優れた美術はいつになっても感動をもたらすものなのかもしれません。

コメントする

管理者にだけ表示を許可する

Template Designed by DW99