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季刊エスのパンストインタビュー

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ストっちゃんの変身シーンの原画かっこええええ

季刊S (エス) 2011年 04月号にてパンスト特集「今石&錦織インタビュー」が載っていると言うので読んでみました。
10pもあり、今回は特にデザインの話やカートゥーンとの関係などの話が多くなかなか楽しめました。

今石「カートゥーンっぽくすると、ストーリーから離れちゃう可能性があるので、普段はなかなか怖くてできないんですけど、それをやって、なおかつ、カートゥーンそのままだったら意味がないので自分たち独自のものを・・・。日本のアニメのおいしい部分とカートゥーンの絵柄のカッコ良い部分を合せたものができたらなあ、と。」

「でも、今回はすごく引き算だったんで。敢えて今までの資産を使わずに作りました。」


錦織「パンストは10あるうちの最初の3はルールをつくろう、と。」
「「日本アニメ風の起承転結を我々なりになるべくやらないようにする」、これもルールなんですよね。ただ手癖で出る時はしょうがない(笑)」
「手足には『四角く描く』というルールがあるんですけど、顔の表情は日本アニメ風にちゃんと・・・特にパンティについては喜怒哀楽が柔らかく出るように、日本アニメの表情アレンジが使えるデザインに落とし込んでいます。」


ー カートゥーンに感じていた、日本のアニメにはない魅力って何ですか?
今石「日本のアニメーションにはない引き出しで絵を表現しているところ。その違和感がいつも良いんですよね。あとは、圧倒的に絵を勉強している人が多いんですよ。基本、美大を出ているくらいにはデッサン力があった上で抽象的な絵を描いている」
「カートゥーンのスタイルを決めるのは美術なんですよ。日本より美術のウェイトが高い気がします。背景の描き方でスタイルが固められている。だから、本当は動きを描かなきゃいけない吉成曜さんがずーっと背景を描くという不思議なことになっていました。」

などなど。

クレジットでは「コンセプトアート:吉成曜」とあったけど、実際にはコンセプトどころか美術やプロップ、色彩設計などもまるごとやっていたみたいです。
色彩はコヤマシゲトさんということになっていたけれど、背景の色合いなども吉成さんの好みで作っているから、それに対応する「キャラの色彩デザイン」という感じだったようです。

色彩に関する話は面白くて、「普通のアニメの考え方だと、暗いところに入ったら色を暗くするんですよ、黒を混ぜて。反対に明るくする時は白を混ぜる。『パンスト』はそうじゃなくて、黄色いものが暗いところに入ったら緑になる。色相を変えることで表現する。」

ティーンロボットの色彩設計なんかそうだったよなあ。
あそこまででなくとも、キム・ポッシブルやサムライジャックでもそういうとこあったし。


パンストに関してはウルトラジャンプエッグのコラムでもインタビューが読める。
「正直海外展開は考えていなかったです。僕らがやってるのはアメリカごっこですからね。」


今月の季刊エスには、BD(ベーデー)の話も載っていて、小野耕世による「イビクス」や「ヴァレリアン」インタビュー記事なども面白かったです。

そういえば、パンスト 第5巻には「新作短編映像集「Panty&Stocking in Sanitarybox」」が特典映像としてつくようです。>
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コメント

通りすが郎:
パンストのサントラ第二弾が5月25日に発売されますよ。
最初はサントラ第二弾が5巻の特典の予定だったような気がするのですが、
変更になったところを見るとサントラ第一弾がバカ売れしたので二枚目も販売することになったんでしょうね。
http://annexg.anisen.tv/e319333.html

>季刊S
濃い特集ですねぇ。これは本屋で見つけたら買おう。

>ウルトラジャンプエッグ
監督の口から一般層も見られるアニメを目指したという発言がでたのが、わかってはいたけどよかったかな。
アニメ業界(映画業界もですが)がDVD販売が頭打ちになっているからこそ、
一般層が飛びつきやすいグッズ販売に力を入れたのでしょうか?
今の段階ではその狙いはうまくいっていますね。
BONESなんかもこういう一般層への拡大を頑張っているのですが、こういうのはGAINAXの方が上手い。

【追加】ウィキペディア英語版でこんなのを見つけた。
※Gainax at Pixar
http://grantalexander.blogspot.com/2011/02/gainax-at-pixar.html
スカポン太:
あらまあ、ガイナスタッフはピクサーに遊びにいってたのですか。

特定層だけ狙ってるといずれは頭打ちだから、層の拡大をというのはどこでも思ってることだと思いますが、アプローチの仕方はそれぞれですねえ。
パンストはデザインがカートゥーンぽい(デザイン的)ということで、アニメアニメしてないところで「いけるかも」って思ったのかもしれないですね。
天狛燈火:
>>ー カートゥーンに感じていた、日本のアニメにはない魅力って何ですか?
今石「日本のアニメーションにはない引き出しで絵を表現しているところ。その違和感がいつも良いんですよね。
あとは、圧倒的に絵を勉強している人が多いんですよ。基本、美大を出ているくらいにはデッサン力があった上で抽象的な絵を描いている」
「カートゥーンのスタイルを決めるのは美術なんですよ。日本より美術のウェイトが高い気がします。背景の描き方でスタイルが固められている。
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ネトゲ関係の作家さんやオタク系学校の講師をやってると自称してた人間に同じ事を言っても
賛同された事が無かったけど自分も同じ見方だなぁ。なんか嬉しい。

基本的に制作の裏側や作り手が「こんな意図で制作してますー」というのは知りたくない性質なので
この手の雑誌は全く見ないんだけど、買ってみようかな。
通りすが郎:
季刊S読みました。
本当にパンストスタッフは第二期は作ろうと思えば作れるけど今はしんどいことを考えたくないという状態になっていましたね。
インタビューで印象に残ったのが、パンストを作る時に「縛り」をもうけた事。
きっとアメリカ人だとカートゥーンの「縛り」を左程意識しないで作るのでしんどさを感じないんだろうけど、
日本人はカートゥーンっぽいアニメを作るだけで「縛り」を意識してしまうのでしんどいのかなぁとも思いました。
日本の脚本構成である「起承転結」をやめて欧米の脚本構成をできる限り目指したという話も収穫でしたね。
欧米の脚本構成といえば三幕物ですよね。
日本人が慣れない三幕物でストーリーを纏めるのもしんどかったんじゃないかなぁ?
スカポン太:
読まれましたか。
「縛り」が無いと今までの経験の延長で作られ、中途半端になっちゃうからなんでしょうねえ。
個人ならともかく共同制作のアニメだからこそという気もします。
ただ縛りすぎるとガチガチになっちゃので、ゆるさは残したようですが。

サザエさんのようにずっと作れるものを・・・って最初は言ってたけど、とてもそうはできない、てな話も面白いです。
通りすが郎:
>サザエさん
アメリカだとこんなにディティールを詳細に凝ってしまうと自動的にどんどんパンストの新作を量産していくだろうと思うのですが、
今石組には凝ったディティールが話を膨らます足かせになっていてストーリーを作るのが大変なんでしょうね。
あと日本のアニメ界では市場が小さかったブラックジョーク満載のギャグアニメに挑戦というオリジネイターの苦労も垣間見える。

今石組はパンストの続編は作りたくないということはないが今はやりたくないという心境のようですが、
ガイナックスはどんどんパンストイベントを打ち出して新たなグッズを作りだして販売しているので、
今年水をまいて来年には続編を作らさせたそうだ。中止していたパンストクラブイベントも近いうちに再開するようですし。
今石組メンバーがUストリームで「角川さんがパンストの設定本を作ってくれない」というような愚痴を呟いていましたが、
角川書店から今年中にパンストのメイキングと設定集的なムックを発売するそうで、
角川側も少しづつ続編製作に色気をみせ始めているように見える。
そしてファンも続編を望んでいる。
今石監督は徐々に外堀を埋められてまたしんどいパンストの続編を作らざろう得なくなってくるかもしれません。
通りすが郎:
今石監督の口からパンスト最終回はクリフハンガーのパロディであることが語られましたよ。
http://ultrajumpegg.com/#/column/0004/0024/02

続編が2期になるのかOVAになるのかわかりませんが、
あの結末がなかったことになる可能性がでてきた(苦笑)。
スカポン太:
ウルジャンコラム 新しいの更新されたのですね。
ああ、やっぱり(笑)

海外もののクリフハンガーの続きでよくあるパターンで、一応継続するけど、そのヒキはすぐ解決しちゃって何事も無く新展開ということもありそうですね。
こちらでも語られてるけど「パンストはとにかくしんどかった」みたいですねえ。
通りすが郎:
Funimationがアメリカでのパンストの権利を買ったようです。
http://beta.funimation.com/panty-stocking-with-garterbelt

さて、アメリカではパンスト英語吹き替え版が作られるのか注目ですね。
吹き替えを作るのならどんなのか映像を見てみたい。
スカポン太:
パッケージだけでなくTV放映権もセットのようですね。
ただTVで放送できるかどうかは・・・ちょっとわからないかなあ。
なので吹き替え版は見てみたけど字幕のみかも。

個人的には吹き替え版は見たいですね。
通りすが郎:パンスト情報
落ち葉拾い的にパンスト情報を集めました。

6月4日に角川書店からパンストのコミカライズの単行本と設定集&メイキング本が発売になるそうです。
設定集本は今石監督の未出のパンスト企画書が収録されているとか。2100円で結構値が張り内容が濃そう。
http://annexg.anisen.tv/e324540.html

GW5月4日(水)は地震で延期になっていた渋谷の大箱に移動してのパンストのクラブイベントが開催。
開場14:30~ 終了21:30を予定しているので子供から大人まで参加できるそうです。
http://anime.webnt.jp/news/view/2560

4月23日(土)発売の「フィギュア王」No.159に6Pのパンスト特集。
http://www.gainax.co.jp/anime/psg/news/0072.html
通りすが郎:
大震災で中止になっていた今石監督のサイン会は5月7日(土)渋谷galaxxxyでやるそうです。
また4/29(金)~5/8(日)のGW期間内に渋谷galaxxxyでパンスト展を開催するみたいですね。
http://ameblo.jp/monozoku/entry-10873775995.html?utm_source=twitterfeed&utm_medium=twitter

それから5月28日(土)池袋の新文芸座でパンストのオールナイト上映会が行われます。今石監督のトークショーもあるそうです。
http://www.style.fm/as/02_topics/program/top_110427b.shtml

テレビアニメのパンストを名画座の大画面で見るオールナイトという試みは面白いと思います。
スカポン太:
いつもどうもです。
終わった後でもこんなのイベント多いのも珍しいですね。
パンスト展はそんなに好評だったのか・・・

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