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ロシアMelnitsaの英雄アニメ

近年のロシアアニメについて教えてもらったので、せっかくだからメモっておく。
とりあえず、その中でも一番目立っている「Melnitsa Animation Studio」について簡単にまとめ。

Melnitsa_Animation_Studio.jpg
Melnitsa Animation Studio

Melnitsaとはロシア語で「風車」の意味。
サンクトペテルブルクにあるアニメーションスタジオで設立は1999年。
作風は古典的な手書きものであるが、最近のものはかなりデジタル技術を導入しているようだ。

主要作品はシリーズ化しており、そのことからおそらく人気が高く商業的にも成功しているのではないかと思われる。
作風はかなりコミカルなもので、フランスアニメのようなアート指向というより大衆娯楽系。


歴代の作品キャラたちが映画館で映画を見るシチュの自社プロモ映像が楽しい
カートゥーンネットワークぽいなww

細かい作品はいろいろあるものの、とりあえずここの看板作品の英雄シリーズを。
(※日本題はわかりやすいようにと勝手につけたもので、もちろん日本未公開)
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「Алеша Попович и Тугарин Змей(アリョーシャ・ポポーヴィチと大蛇トゥガーリン)」(2004)


どうもこの作品は、「ロシア初の長編劇場用アニメーション」ということになっている重要な作品のようだ。
「ロシア初」?って思ったが、ソビエト連邦時代ではない、今の「ロシア」ということなんだろう。
(ソビエト解体後の混乱でアニメーション産業もしばらく停滞していたと思っていいんだろうか)
これをきっかけに、近代ロシアのアニメもまた活発になってゆくようなのですが、それはひとまずおいておく。
この作品はヒットしたようで、この後、続編というか英雄シリーズが次々と作られていく。





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Добрыня Никитич и Змей Горыныч(ドブルィニャ・ニキーティチと3首龍ズミーゴルニッチ)(2006年)






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「ИЛЬЯ МУРОМЕЦ И СОЛОВЕЙ РАЗБОЙНИК(イリヤー・ムーロメツと追い剥ぎソロヴェイ)」(2007年 12月28日)



イリヤー、ドブルィニャ、アリョーシャは「ロシア版騎士物語」とでもいうような英雄叙事詩ブィリーナ(были́на)に登場する、有名な伝説の3大英雄。
どの話もその有名な英雄譚をベースにしているようです。

そしてその3大英雄が出揃ったところで・・・
アベンジャーズ結集!
みたいな、3英雄共演作品が登場。



tizer_s.jpg
「ТРИ БОГАТЫРЯ И ШАМАХАНСКАЯ ЦАРИЦА(3英雄とシャマハン女王)」(2010年12月30日公開)


そして、ひとまず3英雄シリーズは区切りがついたのか、今年年末の最新作は、新シリーズ開始ぽいですね。

ivan_plakat_new_s.jpg
「Иван Царевич и серый волк(イワン王子と灰色狼)」(2011年12月29日公開)


ベースは手書きアニメだが、3DCGを多様しているようだ。>メイキングインタビュー映像


ところで、この英雄シリーズの間にちょっと異色作が混じっていて、それが

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「ПРО ФЕДОТА-СТРЕЛЬЦА, УДАЛОГО МОЛОДЦА(勇敢な若者 兵士ファドットの物語)」(2008年12月18日公開)


これもまた、ロシアの民話をもとにしたもののようです。
絵柄的にアートアニメぽいのかなと思ったら、やっぱりギャグものでした。

Melnitsa2008_01.jpg
Melnitsa2008_02.jpg
むしろおっぱいアニメ。


そういえば、ここのアニメスタジオ内部の風景なんですが、アメリカのスタジオより日本のスタジオの雰囲気に近い気がする。
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コメント

朱夏伯:
やばい。久々にアニメで爆笑しました!字幕があれば言っている事が分かってもっと面白いだろうに・・・。
スカポン太
さすがにロシア語はさっぱりわかりませんからねえ。
雰囲気はわかるものの、字幕もあればもっと楽しいかも。
massando:
更に詳しく調べていただきありがとうございます。
あれから英雄シリーズの三作目までと「兵士ファドット」を鑑賞しました。
英雄シリーズは本当に作画が丁寧で良く動き、それだけでも楽しくなります。
特に三作目の「イリヤー」は次第に悪ノリがエスカレートし、クライマックスの展開には爆笑でしたw
あと細かいことですが、このシリーズのヒロインたちはそれぞれ睫毛の表現が独特で魅力的です。
「兵士ファドット」はなにげに凄いですね。前衛にしてナンセンスでこんな作品は観たことありません。
>おっぱいアニメ
そうか!鳩の化身だから鳩胸(巨乳)なんだ!…と気付いてこれまた爆笑ww

スカポン太
おお、さすがのmassandoさんでもロシア語はわからないですよね?
トレーラーの雰囲気だけでドタバタっぽさが強そうだなと思いましたが、思った以上にギャグなんですかねえ。
ロシアものといえば古典的名作だの、霧の中のハリネズミだののアート系なイメージが強かっただけに、こういう作品があることを知れたのはなによりでした。

は、鳩胸・・・そうか!!
massando:
いえ、ロシア語でなくてもわかりませんw
それでも無謀に「アリサの誕生日(День рождения Алисы)」も観てしまいました。
英語表記ではAliceですがロシア語の発音はアリサのようですね。
スマートさに欠ける絵柄ですが作画自体は堅実で、デジタルやCGも適当に使われています。
お話は子ども向けでも構成は映画らしくしっかりとしたものなので、それこそ言葉がわからなくても楽しめました。
音楽も良かったです。特に下の劇中歌のシーンは印象に残りました。サントラ盤があったら欲しいですね。
http://www.youtube.com/watch?v=GkY2xsoEbWA
見た目よりもクオリティは高く、欧州の作品にも引けを取らない内容だったと思います。
スカポン太
Alice、ロシア読みだとアリサなのか。メモ!

なるほど。
世界的営業力が不足してるせいか、なかなか知られないけれど、いい作品はあるものなんですねえ。
今でもロシアアニメのレベルはけっこう高いのかも。
massando:
ちょっと面白いことがわかりました。
「アリサの誕生日」で主題歌「День рождения(誕生日)」と上の挿入歌「Свет любви(愛の光)」を歌っているСветлана Светикова(Svetlana Svetikova)という方は歌手のほかに女優としても活躍しており、ロシア語版「リトルマーメイド」でのアリエルの声と歌の吹き替えとしても有名だそうです。
下の動画はそのロシア語版「パート オブ ユア ワールド」。
http://www.youtube.com/watch?v=HFxBWmUIGKE
ロシア語になっても泣ける…。
スカポン太
やっぱりええのう・・・・

ほほう、なるほどそういう履歴のかたでしたか。
こっちではまったく知られてないけど、現地では有名な方なんですかねえ。
ロシアも音楽にはけっこう力を入れてるんですかねえ。(・・・・どの国でもそうか)

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