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タートルズおさらい コミック編

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ティーンエイジ・ミュータント・ニンジャ・タートルズ(TMNT)がニコロデオンに移籍して、2012年に新TVシリーズが始まる。
玩具はすでに発表されましたが、
アニメ版のデザインはイメージイラストのみなのでどういう絵柄になるかはわからないんですが、多分これでいくんじゃないかなあ。手足が末端肥大気味のカートゥーンぽいスタイル。
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玩具版のエイプリルなどモンキーチームのジンメイが成長したような感じに見えたんだよね。丸顔の膝から下のラインとか。

でも、そろそろ2012年アニメ版の情報も出てくる頃じゃないかと思うので、タートルズのこれまでの流れを簡単に整理してみようかと思った次第。
(※2012年アニメ版の詳細が出る可能性が一番高いのは、今年の夏のコミコンじゃないかと思いますが)


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1984年
最初のタートルズ(右はリプリント版)
ケヴィン・イーストマンとピーター・レアードによって描かれた自費出版本(SELF-PUBLISHING)。
日本風に言えば「創作同人誌」。
プロダクション名は「Mirage Studios」(日本風にいえばサークル名かしら)
ただ、内容的にはパロディ同人誌ともいえる。
TMNTは、ニューミュータンツ、デアデビル、フランク・ミラーのRonin、そしてデイブ・シムのセレバスなどのパロディでもあった。
例えば、TMNTの「フット団」はマーベルのNIJNA組織「ザ・ハンド」のパロディ。

ジャック・カービーからの影響も強く、TMNTでジャック・カービーへのオマージュ作品も描かれた。
(※2003年版アニメでもこのエピソードがある>タートルズ#15,16

とは言っても、内容は完全に独自の世界観でオリジナルストーリーとして展開してゆくので、この場合はパロディというより「元ネタ」とでも言う方が適切かもしれない。二次創作ではないからだ。

初期はまさにフランク・ミラー的なハードボイルド。闇に生まれ闇に生きるNINJAの物語。
最初期のタートルズの絵柄も有名だが、徐々に絵柄も変化して、リプリント版の絵柄をみればわかると思うが、すこし丸っこくなる。最初期のよりこのあたりの絵柄が後のタートルズのベースとなるスタイル。

そこで、デイブ・シムのセレバス(Dave Sim「Cerebus the Aardvark」)(1977)
この作品もまた創作同人誌(SELF-PUBLISHING)であり、そこから人気がでて、独自の物語として描き続けられた作品。TMNTの先輩にあたる。
この作品、及びこの作品のあり方はインディーズコミックに多大な影響を与えた。
これもまた、元は蛮人コナン(Conan the Barbarian)のパロディ。
無頼漢なツチブタが主人公のバイオレンスファンタジー。剣と魔法、血と肉。
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Teenage Mutant Ninja Turtles & Cerebus: Yes, this crossover actually happened (Part 1 of 2)
Teenage Mutant Ninja Turtles & Cerebus: Yes, this crossover actually happened (Part 2 of 2)
セレバスはコミックで直接タートルズとクロスオーバーしている。

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そしてTMNTと関係深いといえば、スタン坂井の擬人化本格時代劇マンガ「兎用心棒(USAGI YOJIMBO)」
これが初めて登場したのは1984年。まさにタートルズと同じ年。
(きちんとした形で作品が始まったのは1987年なので、一応シリーズとしてはこの年が「兎用心棒」の始まりとなる)
主人公の宮本兎は新旧ともにアニメにも登場し、兎用心棒のコミックにもタートルズが登場
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最初はレオナルドが兎用心棒の世界に迷い込む話だけだったが。後にタートルズ全員がやってくる話も作られた。
レオナルドとウサギの友情はここから。
「兎用心棒」はTMNTの「Mirage Studios」から出版されていたこともある。(現在はDark Horse)

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Bob Burdenの「Flaming Carrot」
これも1979年のアトランタファンタジーフェアにて登場し、1984年からインディーズコミックとして本格執筆が始まったもの。
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そしてこれもタートルズとクロスオーバーしている。

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The Savage Dragon(1982)もそうですね。

あと、PANDA KHANとかも・・・

このように、アメリカの80年代はパロディ・創作同人誌が、数多く在野のアーチストによって数多く描かれはじめていた時代でもあり、そういう中からタートルズも誕生することとなった。
これはコミコンなどのサブカルコンベンションが大きくなりはじめ、また各地で開催されるようになったということが大きいと言われている。既存の流通とは違う、コミックファンのたちのマーケットの形成である。
そんなコミック系コンベンションで、マンガ同人誌・自費出版本(SELF-PUBLISHING)は配布されていた。
日本ではコミケが晴海で開催されていた頃だ。

日米の違いと言えば、日本ではSF大会などの「コンベンション」から、同人誌の販売のみに絞ったマンガのフリーマーケット「コミケット」が派性したことかもしれない。
これにより、日本ではサブカルイベントとしては「コンベンション」が衰退。
「同人誌即売会」が主流となり、いわゆる同人誌及び在野の漫画作家数が増えていくこととなる。
そして日本ではパロディと言っても、「既存作品の二次創作」がパロディとして同人誌の主流となる。

一方アメリカでは、「同人誌即売会」が生まれなかったために、小規模出版社(Small press)という形で発展していくこととなる。いわゆる「インディーズ系出版社」ですな。
そのため、既存の作品そのものの二次創作ではなく、パロディでも「ネタとしてのパロディ」というオリジナル作品が主流となる。

・・・か、どうかはわかりませんが。
(パロディの意味の違いもあるが、このへんはもう少し考察すべきとこだろう。海外でも90年代は二次創作もさかんであったことだし)

ともかく、80年代は、DCやマーベルといった、大きなプロダクションの企画にアーチストの一人として雇われる形ではなく、自分の作品としてオリジナルのコミックを発表していく作家が増えてきた時代とは言えるかもしれない。

そういう時代の動きは後にトッド・マクファーレンにも影響を与え、作者が作品の権利をもつImage Comics設立に繋がって行く。(1992年設立)
Image Comicsはいわば個人作家の集合体みたいな会社で、ゆえに、このImage ComicsからTMNTも出ていたりする。(1996年)
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見えない敵とImage版TMNT


超大手のDCやマーベルはそれでもシェアでは圧倒的だが、こういったインディーズ系コミックは無視できないくらいの存在感をもつこととなり、やがてDCやマーベルがインディーズ系作家を起用する動きもでてくることとなるが、話が大きくずれて行くのでもうやめておこう。

そういったムーブメントがあったからこそ、そんな同人誌あがりのタートルズがアニメ化されることとなった。

最初に玩具企画があって、そのために販促用にアニメを作れ、ってことだったようですが、よく企画通ったもんだ。その時代の空気を知らない身としては、そういう時代だったとしか思う他無い。


そして原作コミックから3年後の1987年、タートルズのアニメが登場する。
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「カワバンガ!」
原作のハードでバイオレンスで殺伐とした雰囲気はまったくなくなり、まさにサタデーモーニングカートゥーン。
タートルズの性格もNYスラム街のBADGUYからカルフォルニアンサーファーのような陽気キャラに。
(カワバンガはタートルズの口癖ではなく、サーファーの口癖。原作では言わない)

冷酷非常なシュレッダーもカートゥーン的な悪の高笑いをして「呪ってやるタートルズ~!」とでも言うような、おバカヴィランに。
原作のユートロムがクランゲ皇帝に。そして玩具みたいな秘密基地テクノドーム。
エイプリルがチャンネル6のTVレポーターにと、とにかく原作から大きく改変。

カムイ伝をアニメ化したはずなのに、出来たのはハットリくんだった・・・とかいう感じでしょうか。
ムーミンの作者ヤンソンが、旧アニメ版ムーミンが好きではなかったように、イーストマン&レアードもあまり好きではなかったようです。

しかし、タートルズが大ヒットしたのはこのアニメからであり、多くの人が連想するタートルズとはこの陽気亀たちであろう。

コミック版はその後もハード路線でタートルズを描き続けていたが、多くの人間がそんなマイナーなインディーズコミックを読むはずもなく、タートルズといえばこのカワバンガ!な陽気な亀で定着する。

ここでタートルズは性格の違う2つの世界に分離する。
ファニーな亀ユニバースと、ハードな亀ユニバース。

そこで従来のTMNTコミックとは別に、アニメ版を元にしたコミックがアーチーコミックから刊行される。
それが1988年から始まる「Teenage Mutant Ninja Turtles Adventures」
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黒目で、バックルにイニシャルがある陽気亀。
キャラクターもクランゲ皇帝やロックステディ、ビーバップらがいるアニメ設定の世界。
こっちはカートゥーン的なファニーな路線・・・・と思っていた時期が私にもありました。

アニメの筋を追っていたのは最初だけで、途中からアニメともオリジナルの「Mirage Studios」TMNTコミックとも違う独自のストーリーが展開してゆくこととなる。
熱く、ハードで、ダークで、壮大な物語が。
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ラファエロはArmaggonとの戦いにより片目になったり(未来世界だけど)、エイプリルはフリーの記者になった後スプリンターから武道をマスターしたり。

アニメ版のコミカライズとして始まったにもかかわらず、もはやそれとは全く別のTMNT世界を作り上げてしまったもの、それが「アーチーコミックス版TMNTユニバース」
1988年から1995年まで続いたこのコミックは、おそらくコミック版では一番人気があったシリーズだったといいます。(最後は大人の事情かなにかで打ち切りとなって途中で終ったようですが)

旧アニメ版の放送が1987年から1996年まで。
同じ時期であり、旧アニメ版から派性したにも関わらず、もう一つのニンジャタートルズの物語が平行して展開されていたのだ。

このアーチーコミックス版は読んでいないので断定できませんが、2003年版新アニメタートルズにもかなり影響与えているんではないかと思っています。
タートルズを大別すると、
いわゆる本家、原作コミックとしての「Mirage版タートルズ」
そして「1987年アニメ版タートルズ」
さらに「アーチー版タートルズ」
この3つ

その後2003年に新アニメ版も始まり、再びタートルズ周辺が活発になっていき、タートルズ25周年の2009年に、このアーチーコミックス版タートルズが復活する。
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「TMNT: Future Tense」
それに先駆け、そのアーチーコミックス版の未来世界のタートルズの話をまとめた単行本を刊行。

・・・のはずだった。
2009年はタートルズ25周年だけれども、同時にニコロデオンにタートルズの全権利が買収された年であって、それによりすべてのプロジェクトがキャンセルとなり、アーチーコミックス版タートルズの続きも世に出る事無くキャンセルとなった。
(ちょっとよくわからないんだけど、この旧作をまとめた単行本「TMNT: Future Tense」も結局刊行されなかったんでしょうか?)

この買収はタートルズ全権利に及ぶもので、それは原作者も例外ではない。
アニメの話だけでなく、コミックも自由に描きつつけられないということを意味する。Mirageスタジオも解散。

しかし、なんとかコミックは再開できたようで、2011年からIDWからタートルズのコミックが復活。

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2011~
Teenage Mutant Ninja Turtles (IDW)
IDW版タートルズ。
今までのことは無かったこととして、タートルズたちの設定も変更され、「新タートルズ」として始まったのがこのシリーズ。
正史版らしく、全員赤マスク。・・・って、あれ?新刊では色分けされてる。
(追記:IDW版タートルズは旧原作、旧アニメ、新アニメなど今までのタートルズを統合再編成したものとなってて、旧原作の赤マスクから始まったが途中で色分けマスクをそれぞれつける展開となっていた)

ただこれまでと違い、権利的にこれを「正史」「原作」とはいいにくいところだ。
「新コミック版」とでも言うのが適切かも。

ニコロデオンで始まる新しいアニメ版と同じかはまだわからないが、おそらく設定及びデザイン諸々完全に別ものな気がするので、ここでまたタートルズは2つのユニバースに分離するんじゃないかと。

自分なりに整理してみたけど、ややこしいですね。ややこしいから整理してみたんだけど。
(なにか間違いがあれば教えてください。)
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コメント

くろみつ:
モンキーチームにこんな可愛いロボ子が出てたのかー!
なんで見ておかなかったんだ自分!
スカポン太
そこか!
モンキーチームのジンメイはいいですよ。
サブキャラなので出番はそれほど多く無いんですが。
巨大ロボ化したり、悪に改造されちゃう話とかたまらんです。
TOON PHILIP:
はじめまして!すごくおもしろい記事でした!お詳しいですね!
またお邪魔させていただきます!
スカポン太:
>TOON PHILIPさんこんにちは
わあ、そちらのサイトもめっちゃ濃いですね。パンダカーンまで!
TOON PHILIP:
おもちゃの知識はあるんですがコミックの知識は全くありませんよ~!パンダカーンのコミックも気になります笑

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