The Art and Making of Hotel Transylvania

「モンスター・ホテル」のアート&メイキング本『The Art and Making of Hotel Transylvania』
どんな内容かといえば、おやこんなとこにこんな動画が
映画の最後に流れるコンセプトアートぽいイラストはやっぱりそうだったみたいですね。
初期のドラキュラ伯爵のデザインが、かなりリアルタッチだったことからも、企画内容そのものが二転三転したんじゃないかということをうかがわせる。
コンセプトアートもメイヴィスのシーンが中心だし、最初はメイヴィスを中心としたラブロマンスものぽかったんじゃないかなあ。ヴァンパイア男子に惚れる女の子の逆バージョンみたいな。
そういえば、本編でも「トワイライト」ネタありましたな(笑)
メイヴィスも最初はシマシマタイツじゃなくて、黒ニーソックスだったんだなと。
そして、Animation World Network でのモンスターホテルに関する記事をいくつか
>Hotel Transylvania Gets a 2D Transfusion
「hand-drawn aesthetic」
ゲンディ・タルタコフスキーは、3DCGアニメに「手書きアニメの美学」を導入。という記事
「Hotel Transylvania」ではゲンディは途中参加の監督だっただけに、どの程度ゲンディの手が加わっているのかよくわからなかったのですが、これを見るとかなり手を加えていたことがわかります。
一度仮レンダリングされた動きの上に、直接ゲンディが手書きでモーションを描き込んで、「カートゥーンらしい」ポーズや動きになるよう細かく修正していった様子。
あの肩いからせて、首筋はるポーズとか、やっぱりそうだよねえ。うんうん。
モーションキャプチャー的な動きでもなく、コメディアンの動きでもなく、手書きのカートゥーン的な動き。
その苦労は確実に実ったようで、映画では見事にカートゥーンでしたなあ。

>Genndy Tartakovsky Talks Hotel Transylvania
そしてそんなゲンディへのインタビュー記事
ここで出て来る「Genndy Blur」というのはどういう意味なんでしょうかね?
3DCGでは自然な動きに見せるためにモーションブラーを効果として使う事が多いけれど、そういうのとは違う独特な演出効果をしていたんでしょうか?
キャラクターをハッキリ見せない「ぼかし(Blur)」は極力しないようにしていたようで、動きの面白さ、カートゥーンのもっているパフォーマンスとエネルギーをハッキリと見えるようとしていたようです。
この演出ゆえかどうかはわからないけれど、言われてみれば、この作品は動きが激しくても、それぞれが「何をやっているかハッキリわかる」そんな映像だったような気がします。
設定的に昼ではなく夜の暗いシーンばかりではあったけれど、見えにくさは皆無だったしなあ。
「この映画を作る事での最大の課題は?」
「やっていることが正しいと信念をもつこと」
問題が多かった企画の最後に呼ばれてきた、外様の監督。
さらに、このインタビューでも何度か出て来るように、ゲンディはTVアニメあがり。
(アニメでも映画業界とTV業界の扱いの格差はけっこうありそうですよね)
さらに、それまでの3DCGアニメでのノウハウの動きの否定と修正。
(ピクサーなどはデフォルメしていてもリアル指向だし)
文脈からしてキャラクターデザインなどもかなり手を加えたようだし、スタジオのアニメーターたちを「これでいいんだ」と従わせる強い意志がないとやりとげられなかったというのを、ひしひしと感じます。
特に語られてはいないけれど、相当衝突もあったんではなかろうか。
「And that’s my decision. I have to live and die by that decision.」
ゲンディの最後の言葉にそれがこめられている。
- 関連記事
-
- メイヴィスたんでハロウィン!
- ゲンディ・タルタコフスキー インタビュー
- 「The Croods」トレーラー
- The Art and Making of Hotel Transylvania
- 「モンスター・ホテル」見ました
- ゲンディ「サムライジャック映画」を語る
- フランケンウィニー日本語吹替予告
この記事のトラックバックURL
http://ppgcom.blog12.fc2.com/tb.php/5724-c1e75eba
コメント
- massando:
- ゲンディすごい!アニメ作家としての強い自負が感じられる仕事ですね。
この作品が他社のCGアニメの表現に影響を与えていけば面白いことになりそうです。
題材としてはどうかと思っていたのですが次回作の『ポパイ』も見逃せなくなりました。
- JIA:
- おおお、これちょっと前に宣伝バスを見ました。「あら、そう、ドラキュラとかモンスター物ね」って流していたんですが。自分の中でなぜか「ドン ドラキュラ」(手塚氏の)アニメ打ち切りとイメージ被って、切なくばっていたんですが。(古いネタすいません) アートブック見てみたいわ-。探してみ増す。
- JIA:
- すいません、人生初のスマートフォン入力で、文字変換がおバカになっています。申し訳ない
- スカポン太:
- >massandoさん
ああ、そういえば次はポパイなんて話ありましたね。
ポパイかあ。正直オリジナルの企画でやってほしいです。
ゲンディは器用なうえに、キッチリ仕上げちゃうものだから、請け負い職人みたいにならなければいいんですけどねえ。
>JIAさん
見ましょう!これは見ましょう!
ドンドラぽい感じもありますよ。伯爵と娘ですし。