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マイリトルポニーコミック日本語翻訳版「マイリトルポニー:ポニーテールズ」発売

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マイリトルポニーコミック日本語翻訳版「マイリトルポニー:ポニーテールズ」ついに発売。

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カバーを外すと、レインボーダッシュ。これは装丁デザイナーさんの趣味?
どのシーンからかは本編読んであててみよう。

この単行本は、Mane6それぞれのショートエピソードオムニバスという形になっていて、アメコミらしく、それぞれ作家が違っています。
だから絵柄もバラバラ。
 


収録作品は

<トワイライトスパークル>
「最も詳しいマーブルユニバース公式ハンドブック」
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トワイライトが、セレ様からの依頼で、王立公文書館の司書のお手伝いに行く話。
ストーリー&アート:Thomas Zahler


<レインボーダッシュ>
「火曜日までに戻らなかったら 皆に愛してると伝えて」
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グレムリンが操る邪悪な黒い雲をレインボーダッシュが払う話
ストーリー:Ryan K.Lindsay
アート:Tony Fleecs
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地味に虹林檎


<ラリティ>
「私はラリティ 農場の救世主となるポニーよ」
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仕事の疲れを癒やすためにやってきた村がヒッピーの村だったのでドタバタおばさん話。
ストーリー:Katie Cook
アート:Andy Price

<フラッターシャイ>
「あのねえ、批判なんて当たり前 それでも前に進むのが芸術家よ」
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実は編み物好きだったフラタがアートコンテストに作品出品する話
ストーリー:Barbara Randall Kesel
アート:Tony Fleecs

<ピンキーパイ>
「ピンキーパイ! ローマ字で書くとPとEが2つずつに愛が3つ!」
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人気コメディアンのポニアッチの引退になげくピンキーの話
ストーリー:Ted Anderson
アート:Ben Bates

<アップルジャック>
「ウィノナを警察犬に躾ける?」
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リンゴを盗む怪物サススカッシュを捕まえるためにアップルジャックが奮闘
ストーリー:Bobby Curnow
アート:Brenda Hickey


自分のお気に入りはラリティとアップルジャック。
アップルジャック話はほんとアップルジャック天使すぎ。アップルファミリーはいいわー。
アートもこの2作品が特に優れていると思う。

もしこれがアメコミ初体験の人がいたら、アメコミとひとくくりにできない多彩さを実感できると思う。
作家がバラバラなので、コミック作品なんて「作家による」としか言えないことも。
「アメコミの読みにくさ」も実感できるかも。(これも作家次第ではあるんだけどもね)

全体的にフキダシが小さく、セリフの文字が小さい。
そしてヒトコマで会話のやりとりが交差するのが、読みにくさの原因の一つだと思っています。

日本のマンガのように、パッとセリフと絵を同時に認識する読み方ではなく、文字を読んで絵を確認するというような流れが、読み方のペースの大きな違いではないかと。

ここはまあ、慣れる部分でもあるんだけど、もうひと回りセリフは大きくするだけでかなり違うと思うんだけどナーとはいつも思ってます。

アートではラリティ回を担当したAndy Priceが、やはり頭ひとつとびぬけていると思う。

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婚活おばさん

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この人は、ちょっとクセが強いんだけど、ネタが多く、密度が高く、なおかつ表情が多彩。
この崩し方がけっこうクセが強いとこなんだけど、緩急があるため面白く読める。
特に画面密度の高さは、アメコミの読むペースにマッチしている。
日本マンガと比べ、コマでの滞空時間が長いアメコミだけれども、その滞空時間に見合う密度が、読むペースに合っていて良いということ。
ラリティ話にはセレスティア様の入浴シーンや、郵便配達員ダーピーだの、「読み応えがある」というのが特徴。

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すぐ近くにセレ様がいるのに、わざわざスパイクに手紙書かせる鬼畜トワイさん。
スパイクの扱いは・・・コミックでもかわらんか。

アップルジャック回のBrenda Hickeyもいいですね。
Andy Priceをマイルドにした感じで、読みやすさも漫画的技法も画力もなかなか。

フラタ話は全体的にはいい感じなんだけど、最後に「身内びいき」みたいなオチになっちゃったのが、ちょっと残念だったかな。ここでのラリティはいいキャラだっただけに。


また、用語解説の小冊子がついてくるのもいいですね。
「ノックノックジョークとは」などの補足が解説されているんですが、他に例えば

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擬音についての解説もなかなかおもしろかった。

ただ、こういう名詞や形容詞を擬音として使うのは、自分がアメコミを読み始めたころから見かけていて、最低でも10年以上前からそうだったと思うんですが、これらは日本のマンガの影響だったのかなあ?
例えばため息を「sigh」と書いたり

でも、最近の若い作家などには、日本の漫画の影響というのは実際にあると思います。
例えば「・・・・・」という無言セリフが、アメコミでも最近はとてもよく見かけるようになりましたし。

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リアルよりのヒーローものではあまりないかもしれないけど、カートゥーン的な作品では、こういうMANGA的な照れた時の頬の斜線など、カートゥーンコミックでは強くMANGAの影響がみられるかと。
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コメント

桜花Blossom:
「・・・・・」は含みをもたらす日本語独特の表現ですが。かつての英語圏ではJRPGを訳した時。
「なんだこのてんてんてんは!」と困惑したかもしれません。
EAT LEAD~マット・ハザードの逆襲~というバカゲー(褒め言葉)でネタにされてました。
shyachi:
いつも購読してます!
私も本日届いて読みました。アメコミは初めてだったので、吹き出しの読み方の癖になれるのに苦戦しました。
各回ごとに画風が異なるのは面白いですね。私はラリティとトワイが良かったですね。
セレ様の貴重な入浴シーンもあったし(笑)

今後とも応援しております。
旧:
>手紙なら保存できるし、内容に沿って索引もつけられる
海外アニメは良くも悪くもあくが強いキャラが多い気がします
ドラゴン(というかスパイク)好きや
単純なほのぼの系だと思いこの作品群に手を伸ばした人は
主人公やその友達に対する不信感やヘイトをじわじわと募らせていそうです
mocca:
クセの強い絵柄やキャラが好きなので、ラリティさんの百面相が気になりますw
スパイクのいじられ?キャラっぷりも可愛いです。
どうでも良いことですが、ぷっちぐみ読者層向けにせめてフリガナを入れてあげれば良いのに、と思いました。
読者の年齢層はある程度高めの作品なのでしょうか。
おみそしる:
>最も詳しいマーブルユニバース公式ハンドブック
このネタは、良く聞くアメコミジョークですねw

ダッシーの作品がスーパーマンっぽくて興味深かったです。
訳者が、御代しおりさんなので、淡々と話が進むところが印象的でした。
しかし、フリム&フラムめぇw
sho:
これは、買わねば…

リターンオブクイーンクリサリスのペーパーバック第一号だけ頂き読んだことがあるのですが、
Andy Priceさんの描かれる躍動感ある表情と、わかってる感が読んでいてとても楽しかったですよね。
Brenda Hickeyさんの絵もよさそうですね!


英語圏の漫画オノマトペが音が先なのか意味が先なのか、
この辺りは今の仕事をしててずっと疑問に思っていたところです。

ためいきを~の記事コメントにもあるRUMBLEとか、一部音なのか意味なのかもよく分からないものもあって、
感覚的にどんな気持ちで描けばいいのかとまどいました。
toki:セレ様の入浴シーンと聞いて(キリッ
なかなかのお値段なので躊躇してましたが、ついに今日アマゾンでポチりました!
楽しみですね~♪
スカポン太
セレスティア様の入浴シーンはウリになった!!!


>moccaさん
お値段的にも子供向けではないですね。
元々のコミックも青年層向けですし、やはりこちらの翻訳本も同様に子供向けを対象にはしていないと思います。

ちょうど、おみそしるさんのコメントでもあるように、ネタそのものがそんな感じですしww


>shoさん
英語圏の漫画オノマトペは、自分もよくわからないとこです。
ただの読者ならふーんと読んでればいいけど、いざ海外コミック風にマンガを描こうとした場合、悩みますねえ。
ここの解説の説が正しければ、90年代あたりに日本の翻訳マンガが入ってきて、そこで意味擬音が普及し、2000年代には完全に定着していたのでしょう。
もし、擬音が思いつかなければ、意味で書くというのがある程度ルールみたいになってるんですかねえ。
これのアップルジャックの回がオノマトペが多いので、いろいろ参考になるかと思います。
ジャンプした時の擬音が「JUMP」
brny:
Andy Priceの絵柄に手塚治虫を感じる
Uchiyama:
買いました。
普通の書店には置いてないかと思いましたが、近所の本屋にあった。
確かにクセの強い絵柄ですね。
すごい顔のトワイライトやセレスティアを見て、どうしようかと思いましたよ。

ラリティの話が何かすごいサイケな感じだけど、
あれってアーティストの趣味?
フラワームーブメントってやつですか?
描き文字が70年代の雰囲気だし。
自分的にはこの回が一番よかったです。ラリティの入浴シーンもあるしね!

アメリカ版アキラの解説によると、70年代には日本の漫画の熱狂的ファンがいたそうです。
しかも一番の人気は「小連れ狼」。その後「アキラ」の単行本がニューヨークで販売された時、
ニューヨークのマンガ家が我先に買ったらしいです。
日本の漫画の影響はけっこう前からあったのかもしれません。
日本の漫画とアメリカのコミック、どちらが優れているとかじゃなく、
お互いに影響を受け合っているのでしょう。
Snowy Sky:
ようやく購入しました!
少し高めなので、街の本屋でポイント購入。
意外と大きいのでビックリです。

パッと見ではわからないような話の流れがあるので
そこを理解しようとするのが、なかなか面白いです。
なんでトワイライトはしかめっ面されてるのかなぁ、って思ってよく見たら
あぁ、本をのぞき見していたからか、といった感じに。
スカポン太
>Uchiyamaさん
ラリティ回のサイケな感じは、あの話だからだと思います。

70年代での日本漫画ブームはたしかにありましたね。
フランクミラーのウルヴァリンとか、まさしくその影響ですし。
マニアからより一般的に広まったのは、CNのToonami世代からですかねえ。

>Snowy Skyさん
アメコミの単行本はこのサイズが多いのですが、日本だと漫画の単行本としてはあまりないサイズですね。
ぱっとページをどんどんめくっていける日本のマンガと違うところがありますが、そうやって咀嚼しながら読むのもまた楽しいもんですよねえ。
ただ、アメコミでも、やはりうまい人はそのへんの表現もうまくてわかりやすかったりするので、作家による技量の違いも大きいところはありますけど。
ミクマル:あ
このマンガ、ビレヴァンに売ってました。
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